基本の「ほうれん草おひたし」 〜茹で方と醤油洗い〜

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こんにちは。ひかるです。

食卓にも酒の肴にも欠かせないほうれん草のおひたし。魚や肉に比べると花はないけど、青菜のどっしりとした安定感は不動です。

おひたしは調理も茹でるだけと簡単なのも魅力ですが、この定番おかず「ほうれん草のおひたし」の調理(茹で方・味付け)を見直してみます。

 

「茹で方」について考える

以前のエントリーでこんなことを書いていました。

色褪せさせないためには

  • 茹でる時は熱湯から ※水からだと長時間になるためNG。
  • 熱湯はたっぷりの量で ※野菜投入時の温度低下とpHの低下(酸性化)を防ぐ
  • 熱湯の中に食塩を1〜2%加える ※食塩のナトリウムイオンが酸化作用を抑える
  • 茹で上がったら冷水にさらす ※高温だとマグネシウムが抜けやすい
  • 味付けは塩。 ※醤油や味噌は自身の有機酸の影響で酸性(pHが低い)が強い

>>野菜の色の犯人を知れば料理が楽しくなる

料理科学

野菜の色の犯人を知れば料理が楽しくなる

2018年3月23日

 

ほうれん草の綺麗な緑色は調理を誤ると変色してしまいます。

ほうれん草のアクである「シュウ酸」は調理中に流出し煮汁を酸性にしますが、ほうれん草の色素(クロロフィル)は酸性に弱く変色してしまう、というロジックです。

綺麗なおひたしにするには「たっぷりの湯」「食塩1〜2%」「冷水にさらす」がポイント。様々な書籍で言われていますが、果たして本当なのか検証してみます。

以下の条件で検証します。

  • 湯量(1000g / 200g)
  • 塩は加えない
  • 茹で時間「2分間」
  • 冷水にさらす

 

検証1:たっぷりの湯で茹でる

まずはたっぷりの湯として1000gの沸騰した湯の中でほうれん草を茹でます。

 

根元を湯の中で20秒、柔らかくなったところで葉先まで投入して合計2分間。

 

シュウ酸の影響で煮汁は黄色くなっています。

 

茹でたほうれん草は冷水の中へ。余熱を取り去ります。

 

検証2:少量の湯で茹でる

次に少量の湯でほうれん草を茹でます。先ほどの1/5、200gの湯です。

 

これは湯量がかなり少なくて、ほうれん草全体が湯の中にひたりません。ひたっていないのに「おひたし」なのか。。こちらも同様に2分間。

理屈通りならば、湯量が少ない分煮汁が賛成にかたむきほうれん草が変色(黄色っぽく)してしまうはず。

 

こちらも煮汁は黄色くなりました。

 


比べてみると、煮汁の色に違いがありません。

 

結論:「湯量」「塩」は気にしなくても良い

茹でたほうれん草を比べると、どちらも色に違いはなく綺麗な発色のままとなりました。

今回わかったのは湯量の違いや湯の中に塩を加えることは変色防止にはそれほど影響がなさそうということです。湯量については意外な結果。塩については加えずに茹でた方がその後の味付けの邪魔にならなくていいよさそう。

 

また食べ比べてみると、違いはなく。茹で時間を長くすると、ほうれん草のアク独特な「キシキシ感」は和らぎますが食感が弱まり、時間を短くすると食感が楽しめますがアクが残ってしまう。このトレードオフがおひたしの難しいところ。茹で時間「2分間」でアクが気にならず適度に食感も残ったのでこれで問題なさそうです。

 

味付けについて考える

次はおひたしの味付けについて検証します。味付けは食べ手の好みによるところが大きいのですが、僕個人的なものと解釈ください。

結論から書くと、「醤油洗い」が良さそうです。

 

ほうれん草のおひたし「醤油洗い」

醤油洗いとは、食材を短時間醤油にひたして味付けする方法です。

 

醤油は少量で十分で。

 

醤油の中に茹でて水気を切ったほうれん草を投入。醤油の中で軽く和えてほうれん草全体に醤油をなじませること1分ほど。

浸透圧によってほうれん草の中に醤油が入り込みます。魚をヅケにするのと同じ原理原則です。

 

醤油からほうれん草を取り出してキッチンペーパーで醤油を吸い取ります。せっかく醤油の味付けをしたのに、です。これがポイント。

 

ほうれん草のおひたしを醤油洗いして盛り付けたもの、皿に盛った後に醤油を回しかけたもの。

 

醤油洗いをした方はキッチンペーパーで吸い取ったものの、しっかり醤油の塩分を感じます。全体的に醤油が回っているのでどこを食べても安定感よく醤油を感じられます。

醤油を吸い取っている分、刺身のように醤油をつけて食べるのとは違う「ほんのりとした」醤油味です。醤油の主張が強すぎないところがかなりいい感じです。

 

醤油をかけただけのおひたしは食べる部分によってムラがあります。しょっぱかったり薄かったり。誤って醤油をかけすぎ!てことも普段やってしまいがち。

醤油を回しかけるよりも醤油洗いの方が、おひたし全体への醤油馴染みと柔らかい味付けになります。

 

ほうれん草のおひたし「1%食塩」

この醤油洗いの原理を応用して次に食塩水で検証してみます。ヒトは体液と同じ1%の塩分濃度を美味しいと感じるようにプログラムされています。

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2018年4月24日

 

この1%塩分で洗うほうれん草のおひたしの味わいを確かめます。

 

濃度1%に調整した食塩水の中に茹でたほうれん草を投入。その後キッチンペーパーで水分を吸い取って完成。

 

見た目にはいつも通りのおひたし。醤油などの味付けをせずいただきます。

醤油洗いと同様おひたし全体に味付けが行き届きます。醤油洗いに比べさらにマイルド。醤油のキリっとした感じはなく塩分濃度は醤油よりも弱い気がします。

マイルドになった分、ほうれん草の甘さが引き立ちます。かなり素材感に寄り添った味付けですが、僕はこれも好き。醤油を回しかけると、醤油が強すぎてほうれん草を食べてるのか醤油をなめているのか主語がぼやけてしまいがちだからです。

「醤油洗い」と「1%食塩」シンプルな味付けとしていいかも。ほうれん草に限らず他の青菜おひたしでも使えます。

 

おひたしの味付け前には「キッチンペーパー」で水分を吸い取る

これまでほうれん草のおひたしは冷水で冷やした後「手で絞って」水分を取り去っていました。が、キッチンペーパーが断然、良さそうです。

手で絞った場合、力の入れ加減で水分が残ってしまい味付けしてもぼやけてしまうことがあったりします。食感も「シャキシャキ」ではなく「シミシミ」してはっきりしない。強すぎると食材を壊してしまったり、絞ったつもりでも一方に水分が移動しただけで絞りムラができてしまうこともあります。

キッチンペーパーで包みしっかりおさえることで手で絞るよりも正確に効率的に水分を吸い取ってくれます。味が乗りやすくなるしおひたしならではの食感が楽しめるので、味付けの好みはあるのせよ、キッチンペーパーを使うのは必須にしたい一手間です。

 

ひかる




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ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。