社会人1年目に身体を壊してからというものの、
食生活はとても変わりました。
自分ルールを設け、徹底してきました。
- 食品添加物や化学調味料が入ったものは口にしない
- 砂糖は極力控える(ケーキやアイスは年に数回だけ)
- ファーストフードは食べない。手作りしたものを食べる
- 欧米食は避け、日本食を食べる
などなどです。
鍼灸院でそうしたアドバイスがあり
自分でもインターネットで調べながら実践していました。
約3年間。確かに大きな病気はありません。
料理するのも好きなので自炊してご飯食べるのも楽しい。
会社を退職して、趣味である料理や食について
改めて勉強しているところ、衝撃的な本を見つけました。
自分ルールは誤りであったことを痛感しました。
今までの自分の考えを改めるきっかけとなりました。
色々学びはありましたが自分にとって大きなトピックを紹介します。
誤り①添加物、化学調味料が入ったものは悪である
「食品添加物、化学調味料などの化学物質は自然界に存在していないもの。
そんなものを身体に入れたら身体は消化分解吸収できず
内臓に負担がかかってしまう。」
そうした理由から厳しく制限してきました。
しかしこの本はこの考えを否定しています。
正しい情報にしたがって論理的に考えていくとその通りでした。
化学物質の食品への利用には政府機関で規制が設けられています。
動物実験によって摂取する事による人体への影響をかんがみて
摂取してもいいかどうか、どれくらいならいいのかが決定されています。
物質によっては1日に摂取してもいい量(1日摂取許容量ADI)が決まっているものもありますが、
これがどのように決められているのかを詳しく調べていませんでした。
WikipediaによるとADIとは以下の通りで
食品に用いられたある特定の物質について、生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量を、体重1kgあたりで示した値をいう。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%97%A5%E6%91%82%E5%8F%96%E8%A8%B1%E5%AE%B9%E9%87%8F
ADIの基準値以内の量なら毎日食べ続けても影響がないというものです。
ではこのADIがどのように決められているのか。
出典:内閣府食品安全委員会(http://www.fsc.go.jp/koukan/qa1508_qa_2.html)
実は動物実験(ネズミなど)によって
明らかになる「動物にとって」影響のない量(無毒性量)を
さらに、100で割った値を人間のADIとしているのです。
僕は調べもせず、本当になんとなく
「ADIは動物の致死量未満に設定されている程度だろう」
と思っていました。
動物と人間では体の大きさも違うのに
本当に大丈夫なのか?と疑問心配していました。
しかし正確には動物の無毒性量よりもさらに少量に
人間の安全基準は置かれていたのです。
なぜ100で割るのか?
人は動物よりもはるかに感受性が高いかもしれません。
そこで、まず無毒性量に十分の一をかけます。
人が動物よりも十倍感受性が高くても、大丈夫なようにするのです。
さらに、人の中でも幼児や老人と大人では感受性が異なることや個人差も
あることも加味して、十分の一をかけます。
出典:メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学
ここまで万全を期してADIは決められていたのです。
実際、食品中に使われている添加物や化学調味料ちゅうの
化学物質の量はこのADIの値を大きく下回ります。
また、こうした化学物質は自然にも存在していて、
仮に料理を完全手作りしたとしても、実は摂取していることもある。
さらに添加物とうは自然界の生物から要素を抽出していることもあるというのです。
(白衣を着た科学者が試験管などを持って作っているのかと思っていた)
つまり、「添加物、化学調味料=人工的、悪」ではないということ。
仮に摂取しても量は限りなく少ないため健康に影響はないということでした。
誤り②無農薬至上主義
「農薬は文字通り薬品。摂取したら健康被害がある。
だから、無農薬の有機栽培こそが安全だ」
これもどうやら誤り。
上記を証明する証拠はまだありません。
実際、有機農業を規定するJAS(日本農林規格)法にも
安全や健康という文字はどこにもないそうです。
自然界への化学物質の放出を減らすという意味では
有意義ではありますが、人体摂取に関しては証拠がない。
仮に農薬をあまり使わず残留農薬が検出されなかったとしても
生育環境でのストレスから作物内に有害な物質ができている可能性もあるとのこと。
(植物はストレスに対して自ら体内に防御物質をして身を守る)
おいおい、一体今まで信じていたのはなんだったのか。。。
確かに自分のルールは人の情報を鵜呑みにしていました。
インターネットでも証拠を示さないママに書いている情報などを。
この本の中では「メディアバイアス」というキーワードで
メディアは化学的な論拠がないママに都合のいい
不正確な情報を流していることが多いことを懸念しています。
まさに自分もその一人だったなと。
ですが、僕はますます面白いなと思いました。
相対的に正しい情報があまり出回っていない中で
しっかりと科学的に、論理的に調べ理解する。
料理について考えても。
美味しそうな写真のレシピはたくさんありますが
なぜ、小麦粉を入れるのか、なぜこの温度で加熱するのか
そうした説明はありません。
その裏側にある科学的な原理原則が分かれば
もっと料理がおいしく、楽しくなるはずです。
科学技術はこれまでずっと、
人間の進化を力強く推し進めてきました。
科学を否定することは進化を否定することでもあると。
もっと客観的にリスクとメリットを正しく評価せねば!