ひかるぶろぐ

大学生は本当に就活すべきか立ち止まって考える

会社員時代は企業の人材採用(新卒)や人材育成のコンサルティングをしてました。

3月1日を迎え、就職ナビ本サイトがオープン。2019年採用が本格的にスタートしました。実際には2017年の夏からインターンシップで意中の企業と接点が持てる機会があり、優秀と言われる学生たちは企業から唾をつけられている、もしくはすでに内定を持っている学生もいるから、字面通りに3月から本腰入れて就活を始めても出遅れ感があるのは否めません。

僕は前職では企業(求人側)に立って、いかにして優秀な人材と接点を持ち採用まで結びつけるかを考えてきましたが、その過程で学生(求職側)へのインタビューによって情報収集もしてきました。僕が大学卒業したのが2013年だから今の大学生とはそれほど年齢が離れているとは思っていないけれど、実際はとても老けてしまったなと感じる場面が多々あります。何よりも肉体的に衰え、柔軟性や筋肉量が低下し、肌のハリが衰え…と始めると脱線してしまうのでこの辺で。

本当に就職したいんですか?

本題に戻りますと、大学生の皆さんは本当に就活したいんですか?

僕自身、就活して会社員になった人間なので偉そうなことは言えませんが、「大学進学」「卒業後、会社員」が既定路線になっている日本社会の中で、立ち止まって考える機会を設けて欲しいなと思いブログを綴ることにしました。

 

これまでの経験上「就活をしたい=就職して会社員になりたい」が大半。そりゃそうか。ごく稀に、起業するから就職する気がないけど採用試験がどんなものか体験してみたくて就活しているという人もいます。え、でも待って。会社員ってそんなに素晴らしい?

 

今回言いたいのは

やりたいことがないのに就活すると、不幸な結果が直近でも中長期的にも待っているかもよ

と言うこと。

 

ビジネスで、もっと厳密に会社員として結果を出すために求められるのは多くの場合「生産性(少ないアウトプットで最大の成果をあげる)」ですが、この生産性と興味関心の間には相関関係あるんじゃない?というのが僕の考え。

やりたくないことやっても生産性なんて低いままですわと昨日ブロギました。

 

若手社会人を苦しめる謎理論

 

やりたいことやろう、もしないならプータローになるのもありだという可能性を示したい。

 

やりたいことがないまま就活を始めるとどうなるかを見ていきます。就活は大抵次のものに集約されます。

「自己分析をしないと自分の興味のある業界企業がわからない、採用面接で質問に答えられない」そう先輩たちや時には人事にアドバイスされて、みんな一生懸命に自己分析を頑張っています。自分の過去を振り返って何に頑張ってきたのか、どんな時に喜怒哀楽を感じるのかを考えたり、友人や周囲の人に自分がどう見られているかを他己分析してもらったり。本当に大変な取り組みです。

でも僕が心配するのは「自己分析をしないと、内定を獲得できない」というマインド。大学卒業後、進むべき道は就職以外にもあるはずなのに忘れ去られている。企業しちゃえー、専門学校で何か学び直してもいいかもね、好きなことに没頭してフリーターでもいい、法の範囲内であれば何をしていいはずです。「大学卒業したら就職だ」というマインドはそれ以外の可能性が土台にも上がらず比較検討されずまま、就活してしまうのはとても勿体無い。し、不幸になる可能性も高い。

例えば(多くの場合に当てはまると思いますが)、

自己分析をした結果、結局自分はどこに就職して何を仕事にしたいのかが見えなかった。だから、とりあえずブランドのある企業を受けてみよう。orとにかく成長できるベンチャー企業にしよう。内定を取るために、試験に有利になるからインターンシップやOBOG訪問をいっぱいしよう。

そういうマインドで就活をしてしまいます。

すると、採用試験では志望動機があまりにも上っ面になり、熱量もなくその他大勢の同じような就活生と差別化できないから選考突破できない。不合格が続くと、自分を否定された感覚になり「自分は必要のない人間だ」と卑下して気が病んでしまったり。仮に内定が勝ちで、不合格が負けならば、就活で負け続けたら僕なら社会や仕事をすることが嫌になります。そんな辛い経験したくないし、負け続けたら自分に自信をなくして社会に出てから自信のなさが足かせになり仕事の成果にも影響を及ぼす可能性だってある。

また不合格から学ぼうとする良い子ちゃん的マインドだと「(全然興味ないのに)もっと業界研究企業研究して志望動機を作り込まなきゃ」とどんどん自分を偽て志望動機を作り込むことになります。自分を偽るのはとても怖いことで、そのまま内定獲得すると”偽っていた動機”があたまも本音であるように自分自身でマインドセットしてしまうことが起こります。でもそれはもちろん本音ではないからなかなか仕事に身が入らない、成果が上がらないなと数年後に気づくわけで。その頃には転職するのも退職するのも億劫で、ずっと同じ会社でくすぶり続けてしまう。これにて、仕事が嫌で嫌でたまらない、土日だけが生きがいサラリーマンの誕生です。少なくとも平日の40時間を40年間も我慢する人生を送ることになります。それ幸せ?

誰も絶対に認めたくないけど「仕事=我慢するもの、ストレスフルなもの」というマインドが多くの会社にははびこっているのは間違いない。その環境で辛い時期を乗り越え、出世や評価を勝ち取ってきた勇者みたいな先輩や上司が酒を飲みながら若手に語りかけてくるわけです。「今は辛いけど頑張れよ」と。大人になるってそんなにつまんないことなのか!?子供の頃は公園を駆けずり回ったり野球したりサッカーしたり気づいたら時間があっという間に過ぎていて、また明日も遊ぼうなって友達と約束して明日が待ち遠しいものだったのに。どうやら社会では子供の頃の素晴らしい記憶はモラトリアムという言葉で片付けられてしまいます。「大人になれ!」というやつですな。

もちろん、社会人の中には本当に好きで仕事に打ち込んで成果を挙げている人もいますが、成果を挙げている人の中には同じようにあまり仕事は好きじゃないけど能力が比較的高いから成果につながっちゃっている人もいる。そういう人が本当に好きなことに打ち込んだらさらに大きな成果が上がるに違いありません。

「就職するのは生活するためだ」という意見もありますが、本当にそうなのか?月に十数万円もあれば十分暮らしていくことはできます。20代という尊い時間を好きなことに費やし、後に大成した方がうま味が大きいし何よりも充実するはず。今は真面目に出勤してトップダウンの指示通りに一生懸命努力さえすれば、安泰だという時代ではありませんし、企業も指示待ち人間は求めていません。独自の付加価値を創出するクリエイティビティが求められます。クリエイティブは大きな熱量を投入しなければ生まれません。真面目に指示通りの仕事をこなし、画一的なものの見方しかできなくなってしまった一部の不幸な企業戦士にはクリエイティブな仕事は生み出せません。そもそも、好きでもない仕事で熱量を捧げそうした価値発揮ができるのだろうか。。。

 

改めて、あなたは何のために就活をしますか?