こんにちは。ひかるです。
Uber Eatsの配達パートナーはサービスの拡張とともにどんどん増えています。と言っても、まだまだ配達パートナーの数は不足しています。好きな時間に収入を得られるUber Eatsですが気をつけないといけないこともたくさんあります。その一つが交通事故。
このエントリーでは多くの配達パートナーが見落としている「交通事故」のリスクについて対策をまとめます。
- サマリー
- 自転車事故でも多額の損害賠償金が発生するリスクがある
- 自転車に乗る人は保険に入るべき
- 自転車保険は「個人賠償責任保険」と「傷害保険」の2つに分けられる
- 自転車保険を選ぶときには弁護士費用特約の有無をチェックする
- Uber Eatsでも自動適用される保険が用意されているが限定的
- Uber Eats配達中の交通事故には自転車保険は使えない
- 配達中の交通事故には施設賠償責任保険が別途必要
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CONTENTS
自賠責保険がない自転車
自動車とバイクは法律で自賠責保険への加入が義務付けられています。自賠責保険についてはWikipediaに次の記載があります。
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法が施行された1955年(昭和30年)に、「交通事故が発生した場合の被害者の補償」を目的として開始された対人保険制度である。
あらかじめ全ての自動車保有者が自賠責保険に加入することで、交通事故の被害者は「被害者請求制度」を使い、加害者を介さずに「最低限の損害賠償金」を直接受け取ることができる。
自動車やバイクに自賠責保険があるおかげで、交通事故の被害者は(最低限の)損害賠償をしてもらうことができます。損害賠償金は時には数千万円にものぼります。大金持ちでもない限り、それほどの大金をすぐに用意するのは簡単ではありませんが、自賠責保険があることで加害者自身も助けられることにもなります。
しかし、自転車には自賠責保険というものがありません。つまり無保険状態で普段僕たちは自転車を乗っていることになります。これは、もし万が一自転車を運転中に歩行者とぶつかりケガをさせてしまった場合、多額の損害賠償金を全額、自身で工面しなければならないということです。
実際に自転車と歩行者の交通事故において1億円近い損害賠償の支払いを命じた判決も出ています。そんな大金がすぐに用意できるわけがありません。被害者は泣き寝入りするしかありません。
普段何気なく乗っている自転車には誰かを傷つけてしまう、そして被害者も自分自身にとってもとてつもなく大きなリスクがあるわけです。
自転車に乗る全ての人が加入すべき保険が「自転車保険」を選ぶポイント
先述したように自転車には自賠責保険への加入が義務付けられておりません。しかしもちろん「万が一」に備える保険があります。それが自転車保険です。
自転車保険は大きく分けて2つの補償が用意されています。
1つ目は「個人賠償責任補償」といわれるもので、自身が誰かを傷つけた、他人のものを壊してしまった時に生じる損害賠償について補償されるもの。相手に対して支払われるもの、というイメージです。
そして2つ目は「傷害保険」といい、自身の怪我による入院・通院、死亡時に保険金が支払われます。個人賠償責任補償と異なり傷害保険は自身に対して支払われるイメージですね。
一般的に、自転車保険というと「個人賠償責任保険」を指します。あくまでも相手への損害賠償に備えるための保険が自転車保険のイメージです。傷害保険は商品によっては補償内容に含まれていない自転車保険もたくさんあります。
自転車保険に入っておくことで、事故の加害者になっても保険を使って損害賠償をすることができますし、被害者との示談交渉を保険会社が代行してくれる自転車保険もあります。経済的だけでなく精神的にも心強いサポートが得られます。
自転車保険に加入するにあたって、損害賠償の補償があればいいのか、それとも自身の怪我にまで備えたいのか。自転車保険は各社様々な商品を販売していますのでどれが最良かは一概には言えませんが、自身に合ったものを選びたいところです。
心強い自転車保険ですが気をつけなきゃいけないこともあります。意外と盲点なのですが、個人賠償責任補償は自身に過失がない「もらい事故」の場合は保険会社は力になれません。あくまでも相手への損害賠償に対して有効な補償だからです。
僕自身も自転車保険が使えなかった経験があります。自動車との交通事故で過失割合は100:0。僕には一切の損害賠償責任が生じなかったため保険が使えず、加害者側の保険会社と示談交渉を直接やることになってしまいました。保険会社は自社の利益を守るためにあの手この手を使ってきます。例えば、特定の病院への通院を認めなかったり、怪我が完治していないのに支払いを打ち切ったり。一体誰のための保険なのか・・・。
プロでもない事故の当事者が直接示談交渉に当たるのは非常にストレスです。事故発生から半年経過した今でも示談交渉中という有様です。
そんなわけで、僕は「法律相談費用補償」「弁護士費用等補償」(通称 弁護士費用特約)がつけられる自転車保険をオススメします。もらい事故で保険会社が示談交渉代行をしてもらえない場合でも、弁護士を雇って示談交渉をしてもらうことができます。弁護士を雇うとなると数十万円〜数百万円の報酬を支払う必要がありますが弁護士費用特約があれば、保険会社が弁護士への報酬を支払ってくれるので自身は0円で弁護士のサポートを得られます。
弁護士が示談交渉を代わりに引き受けてくれますし、弁護士が示談交渉に当たると多くの場合相手から支払われる交通事故慰謝料が大幅にアップすることになります。詳しくは「自賠責基準」「任意基準」「裁判基準」で調べてみてください。
僕はau損保の「自転車向け保険Bycle」のゴールドコースを選びました。
自転車保険では「配達中」の事故で保険金が支払われない盲点
そんなわけで話をUber Eatsの配達に戻します。Uber Eatsと僕たち配達パートナーの間には雇用関係はなくあくまでもビジネスパートナーです。何が起きても自己責任というスタンス。
一見すると厳しいのですが、保険は一応用意されています。自転車登録の配達パートナー全員が対象で事前申し込みは不要。詳しい保険内容は問い合わせてもなかなか教えてくれないのですが、Twitterで次のようなつぶやきを発見しました。
サポートに事故らないと保険内容が開示されないの?って聞いたらやっと答えてくれたよ。
「1事故に対し上限 1 億円の対人賠償・対物賠償保険となります。 自転車を利用する Uber Eatsの配達パートナーが、配達の注文を受けた時点から料理の配達が完了するまでの間に適用されます。」との事です。— Pon@東京UberEats配達員 (@PonUber) 2018年4月29日
他にも自身の怪我に対する傷害保険はなし、示談代行、弁護士費用特約もない模様です。これでは不十分な補償と僕は感じました。
「Uber Eatsの保険が不十分でも、自身で自転車保険に入っているから安心でしょう?」
答えはNOです。実は自転車保険の大きな盲点があって、実はUber Eatsの配達中の事故については個人賠償責任補償も、弁護士費用特約も使うことができません。重要事項説明書には次のように記載があります。
保険⾦をお⽀払いできない主な場合
(略)
職務として交通乗⽤具への荷物などの積込み作業、積卸し作業、整理作業をしている間の、その作業に直接起因する事故
Uber Eatsの配達は「職務」にあたります。具体的には「配達依頼を受諾〜レストラン〜配達完了」の範囲です。
一方、配達と配達の間(待機や移動)は職務にあたらないのでUber Eatsの保険は使えず、自身が加入する自転車保険を使うことができます。それぞれの保険が使えるシチュエーションをまとめると次の通り。
- 待機中:自身で加入する自転車保険
- 配達中(お店への移動):Uber Eats用意の保険
- 配達中(配達先への移動):Uber Eats用意の保険
- 配達完了後の移動中:自身で加入する自転車保険
自転車保険に入っているからと安心しているあなた。すぐに重要事項説明書を確認してください。自転車保険はUber Eatsの配達中には使えません。
Uber Eatsの配達でも支払われるのは「施設賠償責任保険」
Uber Eatsの配達中の交通事故には自転車保険が使えない。また、Uber Eatsで用意している保険では補償内容が不十分。僕は不足分をカバーするために追加で保険に加入しました。それが施設賠償責任保険です。
平たくいえば、個人賠償責任保険(自転車保険)が個人向け、施設賠償責任保険が法人向けというイメージです。施設賠償責任保険は企業や個人事業主向けの保険となるため自転車保険ではNGの「職務」について補償対象になります。
施設賠償責任保険は工事業者や小売店、レストランなど様々な業種をカバーする保険で、支払う保険料は事業の売上高や完成工事高などで計算されます。
施設賠償責任保険は東京海上日動火災保険、三井住友海上などの大手から中堅損害保険会社まで各社が販売しているのでそれぞれ比較検討して選びたいわけですが、法人向けの保険だけあってこれがなかなか難しい。そんな時は法人向け保険を取り扱う代理店に相談するのがベターです。Uber Eatsの配達業務内容や自身が求める補償内容を相談するとぴったりの保険を提案してくれます。
僕は日新火災海上保険の「ビジサポ」に加入しました。
ビジサポの特徴は次の通り。
- 示談交渉サービス付帯(売上高1億円以下に限る)
- もらい事故時に助かる弁護士費用特約が付帯
代理店の担当者さんの話によると、施設賠償責任保険は一般的に示談交渉サービスがついてないことが多いとのこと。この点、ビジサポは珍しい保険のようです。
売上高によりますが、僕の場合保険料は1年間で数千円。自転車保険とほぼ同等の金額です。
Uber Eatsの配達をするために僕が加入している保険まとめ
以上、Uber Eatsの配達をするのに必要な保険について紹介しました。
※エントリー内で紹介しているのは保険商品の一部です。自己責任で細部まで理解した上で保険に加入しましょう。
最後に僕が自転車周りで加入している保険をまとめます。
- 自転車保険:au損保「自転車向け保険Bycle(ゴールドコース)」
- 施設賠償責任保険:日新火災海上保険「ビジサポ」
- 盗難保険:SBI日本小額短期保険「すぽくる」
プライベートでの事故なら個人賠償責任保険としてau損保のBycle(バイクル)がおすすめ。
>>自分の治療費まで出る!au損保の自転車保険「Bycle(バイクル)」をレビュー
au損保のBycle(バイクル)に限らず、こうした自転車保険は色々あるので比較検討して、自分に合うものを選択しましょう。たとえば、Zutto Ride 株式会社の「CycleCall」は最大1億円までの対人・対物賠償補償はもちろん、自転車故障時のロードサービスに強みのある自転車保険です。
>>自転車ロードサービス+賠償責任保険=『CycleCall』
自転車には盗難と破損(盗難時や交通事故など)のリスクもあります。こちらもお得な保険に加入しています。
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週末休みの4時間だけでも十分なお小遣いになりますよ。
ひかる