こんばんは。ひかるです。
今回は全くもってロジカルではない料理実験についてのエントリーです。
「炊飯時には米を研ぐけど、あれ、いつ終えて炊飯すればいいの?」
ご飯好きな僕が炊飯時にずっと気になっていたことです。
美味しいご飯を炊くために洗米は必要なのか?
米を研がずに炊飯する無洗米もありますが、果たして洗米はご飯を美味しくするのか。ちなみに無洗米は特別な米ではなくて、あらかじめ糠を取り除いているだけです。
無洗米(むせんまい)は、研ぎ洗いすることなく水を加えて炊くだけで食べられるように加工された米のことである。従来の精白では少し残ってしまう肌糠(ぬか)をあらかじめ取り去ってあるために、この糠を洗い落とすための研ぎ洗い作業の必要がない。
糠はご飯の臭みの原因だからしっかり落とした方が美味しいという意見も聞かれます。僕は美味しい白ご飯が食べたい。そのために美味しくご飯を炊きたい。幼い頃から一生懸命お米を研いできましたがその必要性について考えてみます。
美味しいご飯を考えるための、超主観的な実験。
CONTENTS
洗米方法の実験概要
実験目的
炊飯前の洗米具合によって、炊飯後の香りや味覚、食感に違いは現れるのか
実験環境
- 炊飯量は3合とする
- 電気炊飯器(5合炊き)を使い全自動で炊飯を行う
- 米は浸漬させない
- 洗米(米研ぎ)方法は次の3通りとする
1:全く洗米しない
2:透明になるまでひたすら洗米する
3:3〜5回優しく洗米する
評価方法
- それぞれの洗米方法のごはんの香りを嗅ぐ
- 米粒の形状を観察する
- 食べてみる
※各研ぎ方の数値化絶対評価は難しいので、3パターンを完全完璧な主観満載の方法で相対評価とする
洗米実験の結果
洗米方法ごとに1つずつ見ていきます。
洗米方法1:「3〜5回優しく洗米」パターン
最初の洗米方法は「少しだけ研ぐ」「優しく扱う」ことを意識します。ぎゅっとぎゅっとせず、指先で撫でるニュアンスで研ぎます。
5回研いだ後の米と水。半透明で米をしっかりと確認できません。
炊き上がりました。
最初のパターンなので比較対象がなく。普通に美味しいご飯です。
洗米方法2:「全く洗米しない」パターン
米を3合分計ってお釜にさーっと。
お釜内側のメモリまで水を入れる。少数の米たちが浮きますがこういうお米は未成熟だからみたいです。害はないのでそのまま食べます。浮いてる米は吸水すると沈みます。
水は米から糠が取れているから白くなってます。
僕は小さい頃から偉い子供だったので米を研ぎ続けてきました。
「米はしっかりと力を込めて研ぐんだぞ。白くなくなるまで研ぐんだぞ」と母に教えられ研いできました。このまま炊飯するなんて怖くて仕方ない。いや待て待て、停滞は衰退と同じ。幼少期の洗脳教育から目覚める時が来たのだ。
意を決して炊飯ボタンを押す。
炊けました!
炊飯器の蓋を開けて香りを嗅ぐ。
全く臭くない。米を研いだ時と変わらない?僕は鼻炎持ちなので嗅覚には自信がありませんが、味見してもらった彼女も同様の反応。
食べてみる。が、洗米方法1と大きな違いが感じられませんでした。
洗米方法3:「透明になるまでひたすら洗米する」パターン
最後は「糠がなくなるまで」「力強く」研ぎます。
僕は幼いころ母から洗米方法を教わりました。家事のお手伝いというやつです。「とぎ汁が白くなくなるまで力強く研ぎなさい」と。
当時の僕は母の教えに忠実に一生懸命研ぎました。でもなかなか白くならず。洗米に30分もかかっていたような気がします。ただ、僕が炊飯したご飯を「美味しい」と言ってもらうと嬉しいし、その洗米方法が正解だと思って生きてきました。ただ、果たしてこの洗米はご飯を美味しくするのだろうか?
ある程度水を加えて掌でぎゅっぎゅっと。ぎゅっぎゅっ×30で水を取り替えます。
1回研ぎ終わったところ。
10回研いだ様子。あまり色が変わっていない気がする。
15回。最初に比べるとだいぶ透明度が上がりました。
並べてみるとよくわかります。左は1回研いだもの。右が15回研いだもの。 この状態で炊飯します。
まず香り。たくさん研いで糠を落としたぞ〜!の意気込みでしたがご飯のいい香りはします。前回よりも微妙にご飯の香りが抑えられている気がします。気がするレベルですが・・・。
前2方法に比べ大きな違いが出ました。お米は柔らかく、粘り気が強い。もちろん水量は今まで通りです。考えられる原因を後ほど書きます。
米粒の形状は一部潰れています。
左が「全く洗米しない」パターン、右が「透明になるまでひたすら洗米する」パターン。前者の方が米の粒がしっかり立っています。
食べてみたところ、今回の洗米方法はやはり柔らかい。
洗米実験の結論
実際に実験してみると、あまりにも主観的で相対的な評価なので画像と文字では違いがわかりにくくなってしまいました。すみません。ただ、両極端な洗米方法「全く洗米しない」と「透明になるまでひたすら洗米する」では非常にわかりやすい違いが出ました。
- 全く洗米しない:固い、さっくり、粒が立つ
- 透明になるまでひたすら洗米する:柔らかい、粘り気、粒が潰れる
洗米3で米が柔らかく、粘り気が出た原因
炊き上がりについて原因を考察してみました。
- 米を研いでいる時間が長く、十分に吸水した
- 米粒が壊れて中からデンプンが表出した
1.米を研いでいる時間が長く、十分に吸水した
研ぐ時にあまり時間はかけないように意識してましたが「30ぎゅっぎゅっ×15回」で少なくとも10分は使っています。
その間に乾燥状態である米たちは水を吸うので結果、炊き上がりが柔らかく仕上がります。今回はどの洗米方法も洗米後に浸漬させず洗米終了後すぐに炊飯器のスイッチをオンにしています。
洗米も調理の1つですが、料理人によって研ぎ時間が異なるので洗米中の米の吸水量が変わります。家庭で炊飯するときに日によって柔らかかったり硬めだったりムラが発生することがありますが、これは炊飯時の水量だけでなく洗米時間も重要であることを今回気づくことができました。
2.米粒が壊れて中からデンプンが表出した
米に限らずジャガイモなどのデンプン質の食材も同じですが、デンプンが甘みや粘り気を生み出します。
しかし今回米を強く研ぐことで米の表面が傷つき壊れ、デンプンが表に出やすくなったことで柔らかく、粘り気のある炊き上がりになったのだと思われます。
個々人の好みで洗米方法を考える
今回の実験から、水量だけでなく洗米方法が炊き上がりに影響を与えることがわかりました。僕は硬めのご飯が好きなので、「優しく」「ほとんど研がない」洗米で今後やっていこうと思います。
※ちなみにまったく研がないで炊飯する場合、炊飯時の水蒸気に含まると思われる糠が炊飯器に付着してよがれやすくなりました。
一方、柔らかくて粘り気のあるご飯が好きな人もいますが、そういう場合は「しっかり」研ぐのがいいのかもしれません。粒が壊れやすくなってしまいますが、浸漬する時間がなくても柔らか目の仕上がりを狙うことができそうです。
ひかる