こんにちは。ひかるです。
焼き鳥屋さんの締めで注文するふわふわな親子丼。どんなに酔っ払っていても必ず最後に食べたくなりますよね。ぼくはむしろ酔っ払うほど食欲が無限大になるので、何杯でも食べられそうな気がして、一つだけでやめます。
ということで、今回作ったのはふわふわ食感の炙り親子丼です。
親子丼は炙るだけで格段に美味しくなる
炙り親子丼の材料は鶏肉(もも肉)と玉ねぎのみ。もちろん卵も使います。ふわふわに仕上げます。
鶏肉の表面を焼き網でしっかり炙ります。中心まで火を通す必要はなく、表面の焦げがつけばOKです。セラミック製の焼き網は赤外線効果で食材表面の水分をしっかり飛ばして焦げ目をつけやすい有能な料理道具です。
>>干物の美味しい焼き方はどっち?「魚焼グリル」VS「赤外線遠火」
「焦げ」は一般的には忌み嫌われていますが、そこから発生する臭気成分は食欲をそそる香ばしいあの香りです。もちろん焦がしすぎは論外ですが、ほどよい焦げは料理を格段に美味しくしてくれます。
焼き網はガスコンロのSiセンサーが働いて自動消火してしまいますが、これは簡単に解除することができます。こちらのエントリーをどうぞ。
焼き終わったら一口大にカットして下ごしらえ終了です。今回は市販のカット肉を使いましたが、もも肉1枚をそのまま焼いてからカットする、という手順だと焼きやすい。
親子丼の「ダシ」はちょっとこだわる
鶏肉を炙ったら、あとは親子丼を作るのみ。親子丼は醤油ダシを卵でとじた料理ですので、このダシはちょっとこだわるだけで格段に美味しい親子丼になります。
- 親子丼のダシ
- 二番出汁:4
- みりん:2
- 醤油:1
ほんだしなどの粉末かつお風味調味料は便利ですししっかりうま味成分のイノシン酸も含まれているのですが、どうしても薄っぺらい味わいになってしまいます。実は鰹節の雑味(苦味や魚特有の香り)が実はいい仕事をします。
美味しいとは『複雑味』です。様々な味わいが同時に調和して感じられると料理は美味しくなります。その典型がまさに鰹節で取ったダシとカツオ風味調味料の違い。
一番出汁を取った後の鰹節の出し殻を15分煮出せば二番出汁の完成です。詳しくはググってください。
炙り親子丼の卵をふわふわにする方法
まずは親子鍋に玉ねぎとダシを加えて玉ねぎに火を通します。親子鍋がなければ小さいフライパンや小鍋でもいいのですが、圧倒的に丼に乗せやすいのが親子鍋。フタつきが便利です。
炙った鶏肉を加えて、
蓋をして蒸し煮にして鶏肉の中心までしっかり火を通します。
卵は一人前につき2つ用意します。卵黄と卵白はあまりかき混ぜすぎないようにすると、親子丼にムラができて仕上がりが美しくなります。
まずは卵の半量を鍋の中へ。卵が鍋底にくっついてそのまま固まってしまうと丼にうまく乗せられなくなるので、卵を注いだら鍋の中を軽くかき混ぜてしまいます。フタをして20秒ほど放置して卵を程よく固めます。
仕上げに残りの卵を全体に注いだらすぐに火を止めます。卵は火を止めても余熱でどんどん固まっていってしまうので、2回目の卵投入時は火をつけておく必要がありません。というか、そうしてしまうと「普通の」親子丼になってしまう。
黄身が全然固まってない!と思いますが、丼に乗せて食卓に上がる頃にはちょうどいい感じになるんです。
火を通しすぎるとこんな風に失敗します。お蕎麦屋さんの出前で頼むとほぼ100%この状態で届くはず。あれもやっぱり調理してから届けるまでに余熱で卵が固まってしまうから(あとは衛生的な問題もあったりします)。
熱で黄身が固まっていくのをタンパク質の熱変性といいますが、それでも余熱だけではエネルギーが足りず、ちょうどいい具合でこの熱変性はストップしてくれます。
黄身がふわっとしていて、白身がとろとろ。炙った鶏肉の香ばしい香りと鰹節の風味が効いた甘いダシ。親子丼って仕込みがいらなくて、ささっと作れるのが魅力的です。山椒をかけてどうぞ!
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