家に常備されている玉ねぎはめっちゃ重宝します。僕はいつも「玉ねぎメイラード反応味噌汁」を作ってます。
しかし同時に玉ねぎには耐えねばらなぬ試練も。玉ねぎを生で切った時の涙との戦いですよね。
涙の出ない玉ねぎの切り方には巷ではレンジでチンしたり、冷やしたり色々な方法がありますが、ちょっと面倒(それに、「切り方」なのに別の作業発生してるじゃーん)。
玉ねぎの構造や涙が出るメカニズムから考えると、切り方だけを気をつければ涙は出ません。
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涙の出ない玉ねぎの切り方をビジュアルでご紹介
涙が出ない玉ねぎの切り方を画像中心にご紹介します。構造とかメカニズムとかは後ほど。
粗みじん切りを例にします。
皮をむく前の玉ねぎ a.k.a 永沢くん。
玉ねぎの上下先端をカットして皮をむきます。
ここが涙の出ない切り方ポイント1!玉ねぎを半分にカットするには縦(垂直方向)にいきます!横(水平方向)に切ると涙が出ますー。泣
半分に切った玉ねぎの断面がこのようになっていればOK。涙の出ない玉ねぎの切り方になってます。
次は玉ねぎを横に置く(縦のままでもいいけれど)。すると緑の線(繊維)が横に走っているのがわかりますね。縦のまま置く人は繊維が縦になります。
涙の出ない玉ねぎの切り方ポイント2。この玉ねぎの繊維に合わせて切り目をいれていきます。この時の切り幅が粗みじん切りの幅になります。
横から包丁を入れます。上から順番に切れ目をいれていきます。
玉ねぎを右横から見た図。こんな感じ。この切り幅も粗みじん切りの大きさに影響します。
最後に玉ねぎを縦にカットしていきましょう。繊維方向を垂直に切る、この切り方が涙が出やすい。
玉ねぎの粗みじん切り完成です!涙が出ませんよー。
涙が出ない玉ねぎの切り方 〜理屈〜
涙が出ないように玉ねぎを切るには、玉ねぎに含まれる涙の出る成分を流出させないようにすることがポイント。涙の出る成分は玉ねぎの細胞の中に収まっていますが、切るときに壊れたり潰れたりすることで外に現れます。
そりゃそうだけど、どうしたら涙の出る成分は出ないの?ってことで、ここからは玉ねぎの構造と涙の出るメカニズムを取り上げて、涙が出ない切り方を考えます。
なぜ涙が出ないのか?玉ねぎの構造
玉ねぎには繊維質が含まれています。これは玉ねぎに限らず、野菜全般や肉にも。今回は繊維とは食材の表面に見える線だと理解すればOK。繊維質は硬いため食感に大きく影響します。
繊維の取り扱いが非常に重要で、特に野菜の場合は「切り方」がポイントになります。繊維に沿って切ると繊維が長くなるので硬く、繊維に垂直に切ると繊維が切断され短くなるので柔らかく感じるわけです。
例えば野菜を煮る場合、「煮崩れさせたくないのか」「トロトロに溶かしたいのか」料理する目的によって切り分けるだけで仕上がりが変わってきます。
煮物における野菜の切り方
- 繊維に沿って切る:煮崩れしにくい
- 繊維に垂直に切る:柔らかい歯ざわりになる(煮崩れしやすい)
脱線しましたので玉ねぎの話に戻ります。玉ねぎの繊維に垂直に切ると、細胞が壊れ玉ねぎの成分が外に流出します。玉ねぎから涙が出る成分が出現するわけですね。
今回紹介した玉ねぎの切り方はこの構造にしたがって、涙が出る成分が外に出ないように繊維に沿って玉ねぎを切っていました。
玉ねぎの何が涙を出させるの?玉ねぎの成分と涙が出るメカニズムを理解する
玉ねぎを切ることで涙が出るのはアリルプロピオンアルデヒドというイオウを含んだアルデヒドである揮発性香気成分が原因です。アリルなんちゃらが目の角膜を刺激しますが、目はこれを洗い流そうとして涙を出します。
アリルなんちゃらは忘れていただいて揮発性香気成分とは次の意味です。
- 揮発性=空気に蒸発する気体
- 香気=香りのあるもの
揮発性香気成分は玉ねぎの細胞が潰れると外に流出して空気中に飛び出します。まな板の上から出た涙の出る成分は空気中を漂い、目にたどり着くことで涙が出るのです(鼻にたどり着くといい香りがします)。
玉ねぎを切った瞬間に涙が出るわけではありませんよね。涙が出るには玉ねぎから出た揮発性香気成分が目にたどり着かないといけません。玉ねぎ様による「おぬしの瞳から涙を出したるの刑」の執行にはわずかばかりの猶予時間が与えられているわけです。
早いタイミングから涙が出る成分が流出すれば玉ねぎを切り終わる頃には目に到着して涙が出る。それなら最後まで涙が出る切り方は取っておけば時間差があるから涙が出ない、という考え方です。
涙の出ない玉ねぎの切り方まとめ
紹介した涙の出ない玉ねぎの切り方をまとめます。
粗みじん切りは次の3ステップです。
①半分に切る→②上から横から切れ目を入れる→③細かく切り分ける
①と②では繊維に沿って切ることで涙の出る成分を流出させないようにします。粗みじん切りは最後の最後には繊維を切断しなければならないので、最後の③まで取っておきます。
③で涙が出る成分が流出しても涙が出るまでには時間の余裕があるので目にたどり着くまでに玉ねぎ切りを終わらせてしまえばいいのです。
今回紹介した涙が出ない切り方は「涙が出るステップは最後に取っておく」「切ってから涙が出るまでに多少の時間差がある」ことを応用したものです。