ひかるぶろぐ

ホタテの締め方を試す「昆布・レモン・塩・風乾」

こんにちは。ひかるです。

瑞々しいホタテ。その水分は80%以上にもなります。刺身でもバター焼きでもぷりっとした食感が楽しくて美味しいホタテですが、もう少し水分が抜けるとうま味が強く感じられていいのでは。

ホタテをいい感じに脱水させて、美味しく刺身で食べる方法について考えてみます。

 

ホタテの締め方①:塩締め

塩の浸透圧でほどよく脱水させます。塩っ辛くならない程度にホタテに塩をあてて水分が抜けるのを待つ。

浸透圧は料理の基本中の基本となる原理原則で、これを知っておくと便利です。

>>知っていると便利な料理の科学 〜浸透圧〜

知っていると便利な料理の科学 〜浸透圧〜

2018年3月16日

 

ホタテの締め方②:昆布締め

次も代表的な締め方の昆布締め。昆布表面の塩分で浸透圧の効果があることに加えて、昆布のうま味成分であるグルタミン酸を添の加も狙います。

ホタテなど貝類の主なうま味成分はコハク酸で、これは「有機酸系」のうま味成分。昆布のうま味成分は「アミノ酸系」なので、異なるうま味成分の組み合わせで向上するといいなと。

異なるうま味成分を組み合わせると、相乗効果があることがわかっていて、一般的には「グルタミン酸×イノシン酸」という「アミノ酸×核酸」のこと。

昆布締めは、淡白な味わいの白身魚によくやる手法で、白身はうま味が弱いので昆布締めによってぎゅいーんと拡張しているわけです。さて、ホタテの場合はどうなるか。

 

ホタテの締め方③:レモン果汁

レモン果汁であるポッカレモンで湿らせたキッチンペーパーでホタテを包みます。

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ホタテのうま味成分であるコハク酸は有機酸と書きましたが、同じく有機酸系にはクエン酸も属します。

クエン酸はうま味成分かというとちょっと外れますが、同じ有機酸同士相性が良さそうなのでレモン果汁に浸してみます。もともとコハク酸は酸味があるのが特徴です。

実際に、ホタテの刺身にはレモンが添えられていることもありますので相性は間違いなし。

 

今回はホタテを締める(≒脱水)ことに力点を置いているので、レモン果汁にしっかり浸してみます。酢はタンパク質を変性させるのでその過程で水分を抜きます。要するに、酢締めをレモン果汁で行うということ。

 

【実食】ホタテの締め方

冷蔵庫で30分ほど置いてみました。先述した方法以外にも風乾も。文字通り、風をあてて表面を乾かすところですが、冷蔵庫の低湿度と冷気で乾かしました。

 

特筆するのは塩締め。塩があたっていた部分のみ白く変性したため、見た目にはあまりいいものではなさそう。これは改善の余地あり。

 

塩締めと同様に、昆布締めやレモン果汁も表面が白く変性しています。

 

肝心の味わい。まず塩締め。しっかりと水分は抜くことができて、よりさっくりとした食感が好印象。キッチンペーパーで寝かせて水分を抜いたあの食感です。塩味がとがったことでホタテのうま味も強く感じられます。塩分もうま味成分を強める効果があるのでその通りになりました。

次に昆布締め。塩締め同様に水分が抜けてますが、塩締めほどではなく。塩味も柔らかく昆布の香りがいい感じです。ただ、思ったよりもグルタミン酸との相乗効果は感じられず。それでも昆布の香り付けという意味では、昆布にあてる時間をもう少し検討すると面白そうです。

レモン果汁締めのホタテは第一印象として食感の変化感が最も大きい。さっくりというよりも「もっさり」とした感じで、ホタテの繊維が壊れたような感じを受けます(実際、壊れるということはないと思うけど)。思ったよりも酸味は気にならず、ホタテと柑橘系の酸味との相性の良さを再確認しました。レモン果汁に浸す時間をうまくコントロールできると食感が向上して酸味と柑橘の香りで爽やかに味わえそう。

風乾はホタテ表面の水分が抜けることで、中心部分との食感の違いが楽しく、他と比べて塩味や香り、酸味の添加がない分、ホタテそのものを味わえます。質が高くうま味の強いホタテには風乾がベストかも。

 

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ひかる