知っていると便利な料理の科学 〜浸透圧〜

料理科学
Sponsored Link

知っていると便利な料理の科学シリーズ始まるよー!!

僕はひかるぶろぐで「料理を科学する」みたいなことを言っているけど、なぜやるのかちょっと語らせてくださいな。
一昔前の料理って伝承されるものでした。親から子へ、師匠から弟子へ。料理本などはあったとはいえ、料理に関する情報は閉鎖的なものでした。

今現在はまた少し変わっていて、料理情報が民主化されています。言うまでもなくインターネットのおかげで。インターネットの世界にはたくさんの料理レシピが存在して、簡単にゲットして簡単にクッキングしてみんなでいえーいって美味しいご飯を楽しめる。

世の中は食べ物で溢れているので、食は生きるためのものから娯楽的な意味合いも強くなっていますね。僕も週末には外食をしたり、自宅で新しい料理に挑戦するのが大好きです。

しかし、レシピを見て料理をすることだけでは物足りない自分もいます。確かにレシピ通り作れば美味しいものはできますが、如何せんレシピなしに再現することができません。それって結構僕としては問題で、料理ができる男ってモテそうじゃないですか?女の子や友達の前であたかも手慣れているように料理を振る舞えたらカッコいいけど、みんなの前でレシピをググって、スマホ見ながら作るのはダサいよね。。。

だから、みんなに振る舞う前に何度も作って体に覚えこませる!けど、それってすごく非効率じゃん。ちーん。

じゃあどうしたら、レシピなしに作れるようになるのよ?

僕の出した答えは「理屈」を理解することでした。
なぜ塩で洗うのか?水から煮込むのか?肉に焼き色をつけるのか?などなど。レシピにはそうするように書いてあるけど、その裏側にある「なぜ?」を突き止めれば、わざわざレシピ覚えなくても作れるようになるんじゃない?というわけ。

以上!今回のテーマは「浸透圧」です。

浸透圧とは、ざっくりと簡単に言うと「薄い水分」は「濃い水分」に向かって流れるという法則です。水が濃いものを薄めようと頑張っちゃうイメージです。

「低」濃度水分 → 「高」濃度水分

で、これだけじゃ浸透圧の説明として不十分。この2つの水分が「ある壁」で隔てられている状況において発生します。

壁で隔てられているのに、水分はこの壁を通過して水分が移動することができるんです。これが浸透というはたらき。浸透は2つが同じ濃度になるまで続きます。浸透圧とは「浸透」する「圧」力のこと。水分を通す壁のことを半透膜といいます。半透膜は水分子は通すけど、水分子よりも大きな分子は通さない膜のこと。動物や植物の細胞膜などは半透膜になっています。

料理シーンで考えると、ステーキ肉の表面に塩をふると(キュウリに塩でもいいけど)水分がじわじわ滲み出てくるのが浸透圧のチカラ。肉の細胞内部の塩分濃度よりも細胞外(肉表面)にふられた塩の塩分濃度の方が高くなるから、細胞内部から水分が滲み出てくるんです。

ステーキは焼き上がりとして肉汁(水分)が多いとジューシーで美味しいから、塩をふってからすぐに焼かないと肉汁がたくさん逃げちゃって焼き上がりはパサパサになっちゃいます。だから焼く直前に塩を振るのです。

他にも生ハムや梅干しなどの保存食は水分を抜いて乾燥することで保存効果を高めますが、これらを塩漬けにするのは浸透圧によって脱水させるためなんですね。

食材から水分を抜くケースでしたが、浸透圧を利用すれば食材に水分を加えることもできて、生野菜のサラダに利用されています。

レタスやキュウリ(大根のつまも)を切った後は真水に一定時間浸しておく工程があるのですが、これは野菜の水分量を増やしてシャキシャキにするため。真水の塩分濃度は野菜内部の濃度よりも薄い(野菜の方が濃い)ため、野菜の中に水分が移動するんです。味付けするときも、塩をふる前に先に油で和えて浸透圧を起こさせないことが大切だったりします。(先に塩をするとせっかくの水分が流れ出してしなっとしちゃいます)

僕は寿司が大好きで、最近はコハダが好きになりました。いやあ大人になりましたなー。
コハダは酢締めにされてますが、酢の中に投入する前に必ず塩が振られます。塩によってコハダの水分が抜けると細胞内に隙間ができて酢を吸いやすくなります。振り塩によって酢締めがしっかりできるんです。

ちなみに、しょっぱいもので酒飲んだ翌朝顔がむくむのは塩分濃度を下げようとして水分を保持するからです。

こうした浸透圧の効果は塩分だけでなく、糖分(砂糖)でも同じように水分の移動が起こります。
浸透圧は料理シーンでたくさん使われているので、覚えておくととても便利ですよ。

「低」濃度水分 →半透膜→ 「高」濃度水分

参考文献

created by Rinker
¥2,750 (2024/12/12 19:49:31時点 Amazon調べ-詳細)

ひかる




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。