みりんと酒の違いまとめ。どうやって料理で使い分ける?

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こんばんは。ひかるです。

普段料理をしていて気になるのが「みりん」と「料理酒」の違いです。どちらも酒の仲間のような気がするし、狙いたい調理効果も似ているような気がする・・・。じゃあ、どうやって使い分けたらいいわけ?となりませんか??

このエントリーではみりんと料理酒について調べたことをまとめます。

 

みりんの原材料・作り方

まず、みりんの原料と作り方から見ていきます。原料は以下です。

  • もち米
  • 米こうじ
  • 醸造アルコール(もしくは焼酎)
  • (他、酒税法で定められた原料)

作り方は次の通り。

本みりんは、蒸したもち米、米麹、焼酎もしくはアルコールを原料にし、40日~60日間かけて糖化・熟成させます。このあいだに米麹中の酵素が働いて、もち米のデンプンやタンパク質が分解されて各種の糖類、アミノ酸、有機酸、香気成分などが生成され、本みりん特有の風味が形成されます。

出典:本みりんの知識「原料と造り方」

 

以前、日本酒についてまとめましたが、主原料である「もち米」に秘密がありそうです。

>>酒飲みとして頭に入れておきたい日本酒の基本知識まとめ

酒飲みとして頭に入れておきたい日本酒の基本知識まとめ

2019年2月2日

 

料理酒の原材料・作り方

次に料理酒ですが、料理酒は僕たちが普段愛飲している「日本酒」と何が違うのか。Wikipediaによると次のような記述があります。

料理酒(りょうりしゅ)とは、

広義には、料理に使用される日本酒の総称。
狭義には、飲用できないよう不可飲処置を施された、料理専用の日本酒。不可飲処置とは、酒に食塩を添加して、そのままではとうてい喉を通らないような、まずい味にすることである。

出典:Wikipedia「料理酒」

 

料理酒は日本酒の仲間だけど、厳密には違います。面白いのが「飲用できないような不可飲処置」というところ。具体的には日本酒に塩を加えてまずくしていると。なぜわざわざまずくするのか・・・。と、思ったらちゃんとその理由まで解説されていました。

日本で市販されている料理酒の多くには、食塩や酢の添加により不可飲処置が施されている。これは、不可飲処置を施すことで酒税法上の酒類に該当しなくなり、酒税の課税対象から外れるので安価になるとともに、酒類販売免許を持たない商店などでの販売も可能になるためである。また、製造者の記載義務もない。

不可飲処置は本来、酒類を廃棄する際に飲用に適さなくするために行われるもので、「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達」に、含まれるアルコール度数に応じて添加する塩や酢の量が定められている。料理酒の不可飲処置も、この基準に沿って行われている。

出典:Wikipedia「料理酒−料理酒と法律」

 

法律上の「酒」に分類され価格が上がってしまうことを避けているわけですね。また、酒類販売免許がないお店でも広くあまねく販売できるようにするための処置。なるほど。

 

よって、料理酒は基本的には日本酒と原料・作り方はほぼ同じ、最終的に加塩処理を施したものということになります。

  • うるち米
  • 米こうじ
  • (醸造アルコール)

作り方は本みりんとほぼ同じ。詳しくは「酒飲みとして頭に入れておきたい日本酒の基本知識まとめ」をどうぞ。

酒飲みとして頭に入れておきたい日本酒の基本知識まとめ

2019年2月2日

 

「もち米」と「うるち米」の違い

ここまで見てきてわかったのは、みりんと料理酒の違いは原料である「米」だということです。みりんはもち米、料理酒はうるち米です。

もち米とうるち米の違いは成分的にはデンプン分子であるアミロースの有無です。

日本では玄米及び精米品質表示基準で、「うるち」と「もち」に分けられている。

粳米(うるちまい)
デンプン分子が直鎖のアミロース約20%と分枝鎖のアミロペクチン約80%から成る米。もち米より粘り気が少ない[3]。粳米は通常の米飯に用いられる。販売で「うるち」を省略される事が認められていて、「もち」と断りが無ければ「うるち」である。団子などの材料とする上新粉は、粳米を粉末に加工したものである。

糯米(もちごめ)
デンプンにアミロースを含まず、アミロペクチンだけが含まれる米[10]。モチ性の品種のデンプンは調理時に強い粘性を生じるという特性を持つ[11]。餅や強飯に用いられる。白玉の材料とする白玉粉や和菓子の材料とする寒梅粉は、糯米を粉末に加工したものである。

出典:Wikipedia「米−粳米と糯米」

 

もち米のデンプンにはアミロースがなくアミロペクチンのみ。このアミロペクチンがもち米特有の粘りをもたらしています。では、もち米によってみりんと料理酒にどのような違いが生まれているのか・・・。

論文によると次の記述がありました。

糯米はアミロースをほとんど含まず、老化し難いアミロペクチンでデンプンの大部分が構成されている。糯米の方が梗米よりアルコール中で老化し難く、米麹の作用を受けやすいため、本みりんの原料は糯米が使用される。

清酒においては、掛け米は梗米が使用される。糖化によりデンプンから分解された糖類は直ちに酵母によるアルコール発酵でアル コールとなる。 そのため、清酒は本みりんのように多くの糖を含まない。

出典:河辺 達也「酒類調味料の調理効果について」(2007年)

 

うるち米は分解された糖類がすぐにアルコールになるため、料理酒はみりんと比べて糖が少ない。一方のもち米はアミロースを含まないために老化(β化)しにくく、米こうじの働きでデンプンが分解され多量の糖に変化するのです。糖の多寡が違うと。

では、料理酒に砂糖を加えればみりんと同じ効果が期待できるかというとそうではなく、「みりん」と「料理酒+砂糖」で比較すると調味効果においてみりんに軍配があがるようです。

詳しくは「河辺 達也「酒類調味料の調理効果について」(2007年)」をどうぞ。

 

みりんと料理酒の栄養成分表状の違い

みりんの100gあたりの栄養成分表(Wikipedia「みりん」より)。

  • エネルギー:241 kcal
  • 炭水化物:43.2 g
  • タンパク質:0.3 g
  • 水分:47.0 g
  • アルコール :9.5 g(9.5%)
  • 他、ビタミン・ミネラル
  • ※食塩:0 g

 

料理酒の栄養成分はネットでは見つからなかったので、我が家の料理酒を参考します。15ml(≒15g)あたりの栄養成分表示があったので100gに換算しました。小数点第一位までの表示なので多少誤差が生じると思います。

  • エネルギー:106.72 kcal
  • 炭水化物:7.3 g
  • タンパク質:0 g
  • 水分:77.2〜78.2g
  • アルコール :12.5〜13.5 g(12.5%〜13.5%未満)
  • 食塩:2.0 g

やはり、みりんの糖(炭水化物)が、料理酒には食塩が多く含まれていることがわかります。

 

みりんと料理酒の料理における効果

調味料としてのみりんと料理酒。それぞれの調理効果をみていきます。

 

みりんの調理効果

みりんの調理効果については「全国味醂協会 本みりんの知識」に非常に美しくまとめられています。詳しくはそちらで。

まとめると次の通り。太字は料理酒との比較で料理酒にはない効果、また7のみ「河辺 達也「酒類調味料の調理効果について」(2007年)」を参考にしています。

  1. 柔らかな甘み
  2. 「テリ」と「ツヤ」
  3. 煮崩れ防止
  4. 「コク」と「うま味」
  5. 味の染み込み促進
  6. 消臭
  7. うま味流出防止

みりんの調理効果は「アルコール」と「糖」の働きに起因します。

 

料理酒の調理効果

次に料理酒の調理効果です。「宝酒造株式会社−タカラ「料理のための清酒」の調理効果」を参考にしました。太字はみりんとの比較でみりんにはない効果、また7のみ「河辺 達也「酒類調味料の調理効果について」(2007年)」を参考にしています。

  1. 素材の柔化
  2. 保存性の向上
  3. うま味流出防止
  4. 「コク」と「うま味」
  5. 味の染み込み促進
  6. 消臭
  7. 煮崩れ防止

料理酒はほぼ「アルコール」のため、みりんに多い「糖」の働きが期待できません。それでもアルコールの働きによって、みりん同様3〜7の効果が得られます。料理酒ならではの効果でいうと素材を柔らかくする、菌増殖抑制によって保存性の向上が挙げられます。

ちなみに、参考元の宝酒造の商品「料理のための清酒」は料理酒でありながら食塩0ということです。

 

まとめ

調べてわかったみりんと料理酒についてまとめます。

  • みりんの原料は「もち米」、料理酒は「うるち米」
  • 料理酒は日本酒(清酒)に食塩を添加したもの
  • みりんは糖の含有量が多い(料理酒+砂糖で代替不可)
  • 共通する調理効果「煮崩れ防止」「消臭」「コクとうま味」「うま味流出防止」「味の染み込み促進」
  • みりん独自の調理効果「柔らかな甘み」「テリとツヤ」(消臭効果強め)
  • 料理酒独自の調理効果「柔化」「保存性UP」

紹介したアイテム

 

参考文献

 

ひかる




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ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。