こんばんは。ひかるです。
今日の酒の肴の手作りは「カラスミ」。カラスミはかねてから手作りしたかったのですが断念していました。あるお店で熟成カラスミの食べ比べをしたことがありました。1年もの、3年、5年もの。それぞれで味わいが全く違かったこと、そんなに長い時間かけて作り上げていくことに感動したんです。
それから作りたかったのですが断念していたのは原材料である「ボラの卵巣」が手に入らなかったからで。最近は上野の吉池という魚屋さんに超絶ハマっていて見かけたので自家製カラスミ作りに挑戦してみました。
>>上野アメ横で魚屋さんをお探しでしたら、「吉池」へどうぞ。
作り方はとても簡単。カラスミの仕込み
カラスミの作り方は難しそうで身構えてしまいますが、実は簡単。そういえば、ひかるぶろぐでは簡単なものばかり取り上げていますね。かなり大雑把に言えば、ボラの卵巣を極限まで脱水させるだけ。水分がなくなりカラカラに乾かすことで保存食として何年も楽しむことができます。
- 血液を抜く
- 塩漬け・塩抜きをする
- 乾かす
吉池で買ってきたボラの卵巣。この状態で売られています。安いものでグラム500円ぐらいから。根元部分は身とつながっています。この身は最後までつけたままにして仕込みます。
生臭くないからすみは血抜きがポイント
買ってきたボラの卵巣は少し経てばすぐに生臭くなります。魚臭です。カラスミは作る過程で水分を抜くので生臭さは消えていきますが、それでも下処理をしないと生臭くはなってしまいます。そのためしっかりと血抜きをしましょう。
ひっくり返すとこんな感じで真ん中に大きな血管が走っていますし、
表面には細かい血管が見えます。この血管に穴を開けて血を抜きます。縫い針を使って穴を挿していきます。あまり大きな穴だとそこから中身が飛び出して崩れてしまい大失敗するので、細い縫い針を使ってください。ぷすぷすと血管全体に挿してください。大きな血管は1cm感覚で。
針で血管に穴を挿したら氷水に入れます。冷やされて卵巣が収縮することで挿した穴から血を抜くってわけ。10時間ほど冷蔵庫の中へ。
10時間後のボラ卵巣。
表面に見えていた細かい血管からも血が抜かれてきれいになっています。
塩漬けにして脱水する
次は塩漬けにして脱水です。これは浸透圧の作用を利用します。浸透圧は料理に欠かせない概念です。詳しくは次のエントリーをどうぞ。
ボウルにはピチットシートを敷いてボラの卵巣から出てきた水分を吸い取ってもらいます。なければキッチンペーパーでも代用可ですが、とにかくびちょびちょに水分が出るのでこまめに取り替えてください。ピチットシートなら交換しなくてOK。ラップして冷蔵庫へGO。
こちらも10時間ほどで水分が抜けてこんな感じに。
風味を決定づける大切な工程「塩抜き+味付け」
塩漬けの一番の目的は先述した通り脱水です。水分が抜けることで生臭みが減りますし保存性も高まります。カラスミが魚なのに長時間でも腐りにくいのはしっかり脱水するため。ただし、塩漬けにすることで塩分がボラ卵巣の内部に浸透してかなり塩っ辛くなっています。そのため食べるのにちょうどいい塩梅にするために塩抜きをします。
日本酒で再び漬けるつけるのが基本。ですが、この塩抜き工程はそれ以外にも完成するカラスミの風味に大きく影響しますのでちょっと一工夫するのがおすすめです。日本酒の他に昆布や鰹出汁を混ぜたりなんかすると風味が豊かに仕上がります。先述した通りl、こちらも浸透圧の作用が働きます。塩分濃度が低→高へ移動するために、カラスミの塩分濃度が薄くなり調味液も入っていくわけです。
だいたい24〜72時間ほど冷蔵庫へ。このへんは大きさにもよるのでなんとも言えませんが、このあたりは調味液の配合と一緒に何度か作ってみて自分好みを見つけるのが楽しそう。
からすみを干して乾燥させる
塩が抜けて調味できたら最後の工程、カラスミをカラカラに乾燥させます。
干す前にカラスミ表面に調味液を塗ります。
干し網の中へ。ベランダで干して夜は取り込み冷蔵庫。これを1週間〜10ほど繰り返します。
2日目朝。
3日目。
4日目。
5日目。
6日目
7日目。だいぶ色が濃くなってきました。
8日目。
9日目。今回はこの辺で乾燥工程を終了。
ちょっと表面が乾き過ぎてしまっています。反省。
最後に身を外したらカラスミの完成。
薄皮を取り除いた方が舌触りが良くなります。
薄皮はスライスしてからの方がむきやすいです。
熱くスライスして軽く炙ったら合わせるのは絶対にお酒。お燗で。間違いないやつです。
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