こんにちは。ひかるです。
時代と逆行したエントリーです。居酒屋料理を自宅で再現する当ブログですが、よくよく考えてみると「塩」に対するリスペクトが甚だしい。どんな料理にも塩を(時には大量に)使っていたり。
時代は「減塩」ですが、僕は摂取量には気をつけながら、ちゃんと塩を効かせた方が美味しい料理がたくさんあって。美味しいものを我慢せず(節度をもって)食べるのが一番健康的なんじゃないかと妄想しながら日々料理をしています。
今回はスーパーの甘塩鮭を”わざわざ”塩辛い鮭に仕立て焼いて、白飯と一緒にかっくらいます。水分が抜けてしっとりした昔ながらの塩辛い鮭。焼きたてをそのまま、おにぎりに包んでお弁当で。最高に美味しいですよね。
僕は昔から焼き鮭は昔ながらの塩辛いヤツが好き。おばあちゃんの影響でもありますが、スーパーで並ぶ鮭は塩辛い方が高いんですよね。手間暇かかってるからだと思うのですが、甘塩の鮭と比べると3割ぐらい差があったりして、手に取るには躊躇してしまいます。
どうにか甘塩の鮭を塩辛くできないかなというわけです。
一夜干しと同じ原理で、甘塩鮭を昔ながらの塩辛い鮭に仕立てる
昔ながらの塩辛い鮭を思い出すに、味・食感に甘塩の鮭と違いがあります。
- 味:もちろんしょっぱい(塩分濃度が高い)
- 食感:脂でジューシーというより、しっとり(脂・水分の減少)
食塩による「浸透圧」の効果で理論的には塩鮭にできそうです。浸透圧を簡単にいうと、魚に塩を振ると魚内部の水分が脱水し、塩味が浸透する現象です。
浸透圧について知っていると知らぬでは大きな差があって、料理にめちゃくちゃ応用されています。魚の一夜干しや梅干し、チャーシューづくりなんかでよく使っています。
>>水分抜いて臭みを抑える”しっとりむっちり”低温調理チャーシュー・鶏ハムの新発見
食塩添加量の少ない「甘塩鮭」も、家庭でさらに食塩を追加してあげれば、スーパーで売っている「中辛鮭」になるはず、です。
昔ながらの塩辛い鮭の作り方
スーパーで売られている甘塩の鮭を用意します。一切れ100円前後の普通のやつです。
この画像では鮭重量の10%の食塩を鮭全体にまぶします。この時、食塩量が重要です。10%食塩の場合、出来上がりは「”かなり”塩辛く」なります。これはちょっとやり過ぎかも。その後試し続けたところ「重量1.5〜2%」ほどで万人が食べやすい塩辛さになります。まずは1.5〜2%ほどにトライして、好みの食塩量を見つけてみてください。
塩をして30分ほど置いておくと、浸透圧によって鮭から水分(と脂)が出てきます。と同時に塩分を吸って塩辛くなっていきます。鮭の水分量が脱水することで日持ちしやすくなりますし、臭みが抜けたりする効果もあり。
表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り干し網へ。だいたい8時間ぐらい乾燥させます。一夜干しです。夜仕込んで朝ごはんにどうぞ。鮭を乾燥させることで塩味の輪郭がくっきりしますし、魚の臭みが抜けます。部屋干ししたら魚くさくなりそうですが、全く問題ありません。魚の生ぐさい原因は主に血や水分にあるので、この状態にしておけば魚くさくはありません。
昔ながらの塩辛い鮭はもれなく綺麗な紅色をしているじゃないですか。一晩乾燥させるとあの色になります。
これを焼いていきます。すでにしっかり塩っ辛いので塩を振る必要はありません。魚を焼くにはぜひ「セラミック焼き網」を使ってください。炭火と同じセラミックの「赤外線効果」が曲者で、ガスコンロ、フライパン、魚焼きグリルでは出ない風味や食感があります。
>>干物の美味しい焼き方はどっち?「魚焼グリル」VS「赤外線遠火」
表面をしっかり焦がして風味を引き出します。自宅で炭火はなかなか難しいわけですが、セラミックの焼き網ならそれが再現できます。
白ご飯がとまらなくなる昔ながらの塩っ辛い鮭。ほぐしておにぎりにしても最高に美味しい・・・。塩っ辛い鮭は人を選びますし、減塩推進派の人からすると忌み嫌われる食べ物の一つですが、くれぐれも食塩の取りすぎには気をつけて僕は我が道を行きます。
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