こんにちは。ひかるです。
今日は自宅でのステーキの焼き方について考察していきます。今までの持論に+αの実験をしてみます。
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ステーキはフライパンで焼かない
僕はフライパンでステーキを焼きません。フライパンだと香味油で香り付けできるメリットはあるものの、肉を焼きすぎて固くなってしまうリスク、肉から出る水分で煮焼きのようにべちゃっとした仕上がりになってしまいやすいからです。
フライパンでも美味しくステーキを焼くことはもちろんできますが、素人料理としては少し難易度が高いような気がします。
美味しいステーキとは?
そこでまず考えたいのは、美味しいステーキとは何か?肉を料理して目指すゴール設定です。
僕が考える美味しいステーキは次の要素を必要としています。
- 適切な塩分量(甘すぎず辛すぎない)
- 適度な焦げ目(豊かな香り)
- たっぷりな肉汁(柔らかい肉質)
- 豊かなうま味成分(イノシン酸・グルタミン酸etc.)
美味しいステーキの条件1:適切な塩分量
まず第一に基本としてステーキ肉にどれくらいの塩を添加するべきかという問い。ここではシンプルな塩胡椒を味付けとして想定していますが、ソースにしても同じことです。
このブログでは「塩分1%」を提唱しています。これは食材重量の1%の塩分がヒトにとって適切な味付けであるということ。
なぜ1%かというと、ヒトの味覚は人間の体液と同じ塩分濃度の食物を美味しく感じるようにプログラミングされているからです。
味覚は食べていい、食べるべき、食べてはいけないなどを感じとるシグナルでもありますが、体液よりも濃い(塩っ辛い)食べ物はしょっぱく感じて控えるように促します。塩分を取りすぎて体内の塩分濃度が高くなれば薄めようと水分を欲して喉が乾きます。一方、体液よりも薄い味付けは物足りなく感じるように、味覚を通じて体液を適切な塩分濃度にコントロールしているわけです。
夏の暑い日、脱水症状気味の時に塩分の高い食物を食べても塩味を感じないのは、その感覚を麻痺させることで身体が必要としている塩分を摂取させようとしているためです。
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美味しいステーキの条件2:適度な焦げ目(豊かな香り)
これも以前から書いているように、メイラード反応が料理によりよい効果を与えることがわかっています。詳しいメカニズムはわからないこともあるようですが、ステーキ肉の「タンパク質」と調味料の「糖質」が加熱されて反応することで焦げめと共に香り高い「いい匂い」が生み出されます。
フライパンでステーキを焼くと、どうしても肉の水分でフライパンの中がベチャベチャとして、肉表面が水分をまとうことでメイラード反応が生じにくくなります。
こうした理由から、セラミック焼き網を使って「遠赤外線」によってステーキをう焼くことで表面をカリッと焼き上げることができます。
美味しいステーキの条件3:たっぷりな肉汁
フライパンでステーキを焼くと、フライパンの表面温度が高すぎるあまり、肉が必要以上に加熱されて肉汁(水分)が抜け、乾燥したカチカチに焼き上がってしまうこともしばしば。
牛肉をはじめとして肉類は実はかなり低い温度帯で調理することができます。その温度帯は約60℃。一方で、鉄のフライパンの表面温度は200℃超に達するので、明らかに必要以上に高い温度で調理することになるわけです。
そこで近年では低温調理という方法が一般に浸透してきました。これは肉のタンパク質熱変性がはじまる温度帯(約60℃)の湯の中に沈めて、じわじわと肉の中心温度を上げて加熱するというもの。肉の加熱に必要とする温度帯で調理することで、肉は柔らかく、それでいて肉汁たっぷりに仕上がります。
美味しいステーキの条件4:豊かなうま味成分
うま味成分の寡多が料理の美味しさに大きく関わっているのは明らかです。ステーキを焼きすぎてしまうと、肉汁と共にうま味成分が逃げてしまうために、味気のないステーキとなります。
肉の主要なうま味成分は「イノシン酸」ですが、塩分はうま味成分の知覚を鋭くさせる効果があり、つまりはうま味を感じやすくする。そのほかにも、グルタミン酸に代表される別の旨味成分を掛け合わせると、その知覚が鋭敏になることがわかっています。
焼肉屋さんでは割と一般的に、牛タンに塩だけでなくうま味調味料であるグルタミン酸系の粉末を振りかけて味付けしていたりします。これは家庭のステーキでも応用できるはずで、塩胡椒に+グルタミン酸で味付けをすれば、塩胡椒だけのものよりも「美味しい」感じやすくなるはずです。
これがめちゃくちゃ品質の高い高級肉であれば、うま味調味料の添加は野暮だし必要ないかもしれませんが、スーパーで売られているごくごく一般的なステーキ肉を美味しくする方法としてうま味調味料の添加はアリです。
【考察】低温調理のステーキの仕上げ方
さて、ここまでは今までの復習。1%の塩分で味付けしたステーキ肉を、、、
- 遠赤外線で表面カリッと焼き上げる
- 低温調理で柔らかく加熱する
この2つのステーキの焼き方があるわけですが、それぞれ課題もあります。
セラミック焼き網による遠赤外線調理の場合、ガス火よりも高い温度・低湿度で加熱することが可能で、その点で表面をカリッと焼き上げることができるものの、厚みのあるステーキ肉では肉中心まで十分に加熱する前に表面が焼き上がってしまう。さらにはフライパンであれば、にんにくなど香味油で焼くことで香り付けができますが、それができない。
一方の低温調理では肉中心まで狙った温度で柔らかく調理できますが、少なからず表出する肉汁で肉表面はウェット。表面をカリッとさせることはできない。
そんなわけで、今回はステーキの焼き方を変えてみます。ベースは低温調理で肉汁たっぷり柔らかに調理し、仕上げに肉表面をカリッとさせる。また、メイラード反応だけではない香り付け、うま味調味料でグルタミン酸を添加することを目標とします。
まずは牛肩ロース肉を低温調理します。この時は味付けせず加熱することだけを目的とします。この時、空気を抜いて密封できるシーラーがあると便利です。
中心温度が58℃に達してから1時間ほど低温調理したもの。
あらかじめ用意しておいたガーリックオイル。
これをステーキ肉表面に塗る。1%の食塩とブラックペッパーで味付けしてバーナーで表面だけを炙る。
適度に表面を焦がした後、
うま味調味料のグルタミン酸を振りかければ完成。
思ったよりもガーリックオイルの香りづけはできず。方法はまだ考える必要がありそうです。
ひかる