こんにちは。ひかるです。
このエントリーではインド・タイ・欧風など様々あるカレーの違いについてまとめます。
主にWikipediaから引用した備忘録的なエントリーです。
CONTENTS
インドカレー
インドカレーについてわかったことをまとめます。が、明確な定義が存在せずかなりカオティックなので参考程度に。
インドでは「カレー」と呼ばれない
「カレー」という言葉はインドからすれば外来語、インド国内ではカレーと呼ばれないとのこと。僕もスパイスを使った煮込み料理をカレーだと思っていました。
インド料理は香辛料を多用するため、外国人の多くはインド料理の煮込み料理を「カレー」と認識している。しかし外国人がカレーと呼ぶインドの煮込み料理は、サーグ、サンバール、コルマ、ダールなど、それぞれに固有の名称があり、「カレー」という料理はない。ただし、インドの観光客向けのレストランやインド国外のインド料理店では便宜上、メニューに「○○カレー」という表記をしていることも多い。これは、旧宗主国のイギリス人がインド料理をカレーと総称して世界に伝えたことがおもな理由である。
インド固有の言語には「カレー」という言葉はない。ただしドラヴィダ語族には野菜・肉・食事・おかずなどを意味する「カリ」(タミル語:கறி、kari)という言葉があり、それが英語で「curry」と表記されるようになったと言われている。
カレー発祥の国(だと思っていた)インドでしたが、なんと僕らにとって馴染みのあるカレー粉まで外国人による発明。
カレー粉もイギリス人による発明品である(詳細は該当項目参照)。南インドにはほかにカリー・ポディという配合香辛料があり、「カレー粉」と英訳されることがあるが、味も原料も異なる。
様々なインドカレーの具材・作り方
インド国内では「サーグ」「サンバール」「コルマ」「ダール」という料理が、僕らにとってのインドカレーのようです。
それぞれ一体どんな料理かレシピを調べてみました。
サーグ
(ものすごく日本語が達者な)インド人シェフのハリオムさんによると、サーグは日本でいうところの「ほうれん草カレー」。が、インド国内ではサーグはほうれん草ではなく菜の花のこと。でも日本人には「サグ=ほうれん草」となっているので、日本ではほうれん草カレーをサーグと名付けているのだとか。ややこしい・・・。
ほうれん草のカレーのことや、ほうれん草のことを「サグ」と言ってますが、ほうれん草=サグというのは実は、間違いです。ほうれん草はヒンディ語ではパラクといいます。サグは菜の花のこと。北インドでサグカレーと言ったら「菜の花(からし菜)で作ったカレー」のことです。
北インドでは、誰もほうれん草のカレーのことを「サグ」って言いません。サグって言っているのは日本だけ。そういいながら、私のレストランのほうれん草のカレーも「チキンサグ」「マトンサグ」「サグパニール」ですが、本来なら「パラクチキン」「マトンパラク」「パラクパニール」なんです。
「じゃ~なんで、オタクの店のメニューも『サグ』なわけ?」というと得意の「郷に入ったら郷に従え」方式なんですよ。(笑)日本では「サグにした方がお客様にわかりやすい」という
アドバイスに従いました。
現地の方が書いているブログなのでとても参考になるハリオムさんのサーグカレーのレシピは次の通り。ほうれん草ペーストとカレーを合わせたものとして紹介されています。
ほうれん草ペースト
・ほうれん草
・塩
・砂糖
・じゅうそう
・水
・青唐辛子カレー
・とり肉
・たまねぎ
・トマト
・にんにく
・しょうが
・サラダ油
・牛乳
・生クリーム
・フェヌグリーク
・ベイリーフ
・塩
・ガラムマサラ
・カスリメティ
さらに、インドカレーの正体について、ハリオムさんは重要なことを書いておられます。
(略)私はインドカレーを構成する最重要スパイスが、パプリカ、ターメリック、カイエンだと思っています(略)
サンバール
サンバールは日本の味噌汁的立ち位置。
サンバル、サンバール、サンバー、サーンバール(sambhar, சாம்பார்)は南インドで食べられるスパイスを使ったスープ。キマメ(Cajanus cajan)と野菜を煮込んで作る。使われる野菜は季節のものが多く、ナス、大根、オクラ、カボチャなどといったさまざまなものを単独で、または組み合わせて使用する。
ライスとの相性がよく、ほぼ毎食といってよいほどに供される。また、ミールスやドーサといった料理にも、サイドディッシュとして付いてくる。日本の味噌汁のような存在である。
サンバールのレシピはググるといろいろ出てきましたが、カオティックだったので割愛。さっとみたところ、「豆と野菜の入った料理、スパイスはレシピによって様々」という印象です。
コルマ
コルマはヨーグルトとナッツがベースの煮込み料理。Wikipediaにコルマの作り方がありました。
コルマ(英語:korma[1], ウルドゥー語: کورمہ, ヒンディー語:कोरम, トルコ語: Kavurma)はインド料理の一種[2]。ダヒ(ヨーグルト)、生クリーム、ナッツ類のペースト等をベースに作られるマイルドでクリーミーなコルマが最もよく知られている[2]。
挽いたコリアンダー、クミン等のスパイスの組み合わせで香りを出し、ヨーグルトかココナッツミルクを固まらない程度の温度でゆっくりと慎重に注ぎ込む。ナッツを使うこともあるが、大量には使わない。使用するナッツは主にアーモンドかカシューナッツである。コルマは鶏肉、羊肉、山羊肉といった肉類、あるいは数種類の野菜(ジャガイモとタマネギなど)だけを使用し、一般的には辛さを抑えた料理である。
肉をどの時点で入れるかは重要なポイントである。鶏肉はあらかじめスパイスやヨーグルトを混ぜたものにマリネしておき、各片に十分火が通るよう強火で均等に加熱した後、ヨーグルトとクリームを入れ、火を弱める。羊肉の場合は最初に表面に焦げ目がつくまで焼いた後に、鶏肉と同様に弱火にするが、肉が硬くなるのを防ぐために弱火を長時間保たなければならない。大きな量を料理する際には、温度管理が特に問題となる。鍋を火にかけたまま放置すると、コルマの温度が不均一になりがちでやっかいである。とろ火での料理は難しいが、うまくいけば心に残る素晴らしい一皿が完成する。
ダール
豆を使った煮込み料理がダール。
ダール(ヒンディー語:दाल/ウルドゥー語:دال dāl/マラーティー語:डाळ ḍāḷ/カンナダ語:ಬೇಳೆ bēḷe/マラヤーラム語:പരിപ്പ് parippu/タミル語:பருப்பு paruppu/テルグ語:పప్పు pappu/オリヤー語 : ଡାଲି ḍāli)、またはダル(ネパール語:दाल dāl/ベンガル語:ডাল dāl)とは、剥いた小粒の豆(ヒラマメなど)を挽き割ったもの、およびそれを煮込んだ南アジアの料理のことである。しばしば香辛料が入るため、欧米や日本では「ダール・カレー」と紹介されることが多いが、加える水の量によって濃さはルー状からスープ状まで色々である。
と、ここまで調べてきたのですが各料理の共通点は見出せず。強いていうなら・・・
- スパイスには「ターメリック」「コリアンダー」「クミン」が多いが、同じ料理でもレシピにより様々
- 具材は野菜や豆などが中心(肉を入れることも)
料理名こそ食材から由来しているものの、スパイスや調味料などレシピには厳密な定義はなさそう。インドカレーは奥が深いんですね。
タイカレー
日本のタイカレー、タイ国内ではゲーンという料理のこと。
タイにはタイ語でゲーン(แกง)と呼ばれるスープ状の食品がある。タイの宮廷で発祥した料理で、インドのカレー料理との直接の関連性はない。しかしながら、複数の香辛料を用いるというカレーとの類似性から、タイカレー(英:Thai curry)と呼ばれる。
タイカレーはインドカレーから派生したとかなんとか関係がないそう。「全てのカレーの根元はインド」と思っていたのに。結局、僕ら日本人がゲーンのことを「カレー」というのはインドカレー同様スパイスを使っているという共通点から便宜的に名付けたんですね。
生のハーブを使う
インドカレーでは乾燥スパイスを多用しますが、タイカレーはそれに加え、ハーブを生の状態で使用する点に違いがありそうです。
タイ国外では、一般的に「タイカレー」と呼ばれるが、ゲーンはインド料理のカレーや、東南アジア各国の類似の料理と比較して、乾燥させた香辛料を混合したものよりも生のハーブや芳香の強い葉を多用する点に違いがある[2]。また、香辛料を使わないものもゲーン(汁物)と呼ばれる場合がある。ゲーンの種類は多くそれぞれ固有名称があるが、大まかに分けて「レッドカレー」「グリーンカレー」「イエローカレー」などと分ける場合があり、これもタイカレー同様にタイ国外での一般名称である。様々な香辛料を調味した「ゲーン・クルーン」(ゲーンの調味ペースト)を作り、これを用いて調理する。
「ゲーン・クルーンというタイカレーペーストを伸ばしたもの」というイメージか。
大家族などの場合を除いて、香辛料を調理する事は手間が掛かる為に、市販のペーストを使用する事が一般的である[1]。(略)なお、ゲーンに用いられるペーストは、家庭の有り合わせの食材で自家製のペーストを作ることができる他、タイの市場では作りたてのペーストが売られており、タイのスーパーマーケットなどの商店では工場などでパッケージや缶詰にされたペーストが売られている[15]。
ほとんどのゲーンを調味するペーストを「ゲーン・クルーン」と言う。このペーストは複数の食材からなり、またペーストにはさまざまな種類がある。多くのペーストで使われる一般的な食材はシュリンプペースト、生か乾燥、赤か青など作るゲーンによってさまざまな唐辛子、タマネギかエシャロット、ニンニク、レモングラス、ガランガル、コリアンダーの根などである。
ゲーンの種類によって、ペーストにウコン、コショウ、コリアンダーの種、カルダモンの実、クミンのようなスパイスが加えられ、食材では茹でた発酵魚[13]やクラチャーイ(英語版)というショウガ科の植物の根が加えられる。ペーストの材料は伝統的な石のすり鉢で一緒に砕かれ、混ぜられる。近年ではフードプロセッサーが利用されることもある。多くのゲーンでは、他の具材が料理に加えられる前にペーストを調理油で炒める。油は沸騰した水よりも高温に達するため、香辛料やペーストの他の素材から、煮立てることでは不可能な特有の風味を引き出すことができる[14]。
具材には肉や魚介類、調理最後にハーブで風味づけをする
タイカレーはインドカレーと異なり、多くの場合で肉や魚介類が具材として使用される。また、インドカレーがスパイス中心だったのに比べ、タイカレーではコブミカンの葉やバジルなどハーブがよく使われます。
使用される材料は地域や季節によって変わる。それでも、多くのゲーンでは主な材料として食肉や魚介類が使用される。この他、野菜や果物だけでなく、チャー・オム(cha-om)というアカシアの一種(Acacia pennata)やパク・ルアット(phak lueat)というイチジク属の一種(Ficus virens)などの木の葉やドーク・ケー(dok khae)というシロゴチョウ(英語版)[16]やバナナ(hua pli)[17]の花なども用いられる。
動物性の材料では豚肉や鶏肉(家畜化されたセキショクヤケイ)は比較的手に入りやすい[18]。川、湖、田などの淡水やタイランド湾やアンダマン海などの鹹水などの水域から取れる魚や魚介類はさまざまな種類が利用される。他の伝統的な材料にはアヒル、カエル、ヘビ、カタツムリ、野鳥、サンバー、イノシシなどがあげられる[19]。
主に野菜を使ったゲーンには、様々な野菜を煮込んだゲーン・リアン(kaeng liang)や[20]タケノコを使ったゲーン・ノーマイ(kaeng nomai)などがある[21]。 ゲーンには、一般的にセイバンナスビ(英語版)(makhuea pro)、ジュウロクササゲ(thua fak yao)やカボチャ(fak)類が使われる。
コブミカンの葉(bai makrut、バイマックルー)などの木の葉に加え、カミメボウキ(kraphao、クラパオ)、レモンバジル(maenglak、メーンラッ)、オオバコエンドロ(英語版)(phak chi farang、パクチー・ファラン)、コリアンダー(phak chi、パクチー)の葉などのハーブがゲーンに加えられる。これらは時にほかの材料と共に調理されるが、多くの場合風味を維持し、ゲーンそのものの味と対照的な味を添えるために最後に加えられる。
魚醤(ナンプラー)は料理の際に香りと塩味をつけるために使われるだけでなく、よりしょっぱくて辛めの味付けを好む人向けに、刻んだ緑色のプリッキーヌーを入れた調味料プリッ・ナンプラー(phrik nam pla)として食卓にのぼることがある[22]。甘くする必要がある場合、伝統的な椰子糖などの砂糖が使われる。ライムジュースやタマリンドジュースは酸味を利かせたゲーンの酸味料として利用される。パネーンなど特定のゲーンでは[23]クリーミーな味付けにするために、他の具材を加える前にペーストをココナッツミルクでなく、より濃厚なココナッツクリームで炒める。
まとめると、タイカレーの特徴は次の通り。
- 乾燥スパイスに加え、生のハーブを使用する
- 具材は肉や魚介類など動物性タンパク質
ブリティッシュカレー
かつて家庭料理として人気だったイギリスのカレー。現在では古典的な料理となってしまったようです。
植民地インド生まれ。しかし考案したのはイギリス人
今さら驚きませんが、カレー粉を発明したのはイギリス人でした。
イギリス人の船乗りは航海中にシチューを食したかったが、当時は牛乳が長持ちしないとの理由で諦めるしかなかった[2][3][4]。これが発端となり、牛乳のかわりに日持ちのするカレーの香辛料を使って、シチューと同様の食材で作った料理をイギリス人の船乗りが考案しており、これがイギリス的なカレーの由来のひとつとされる[2][3][4]。正確な伝来年がいつかは判然としないが、1747年にイギリスで発行された『明快簡易料理法』なる料理書には、ターメリック・生姜・胡椒を用いた「カレーのインド式調理法」が掲載されており、これが2017年現在で最古の英語によるカレーを扱った文献である[5]。
1772年、インド総督のウォーレン・ヘースティングズによって、イギリスに植民地インドの「カレー」料理が紹介され、評判となった。この時紹介されたのは、インディカ米にターメリックで着色した野菜と肉のスープをかけた料理「マリガトーニスープ」である[6]。しかしイギリス人がインド人のように、多種多様な香辛料を使いこなすことは至難の業だった。そこでイギリスのC&B社は、スパイスをあらかじめ調合したものを「カレー粉」として商品化し、「C&Bカレーパウダー」という名称で売り出した。これによりカレーは英国の家庭料理として普及した。1810年にオックスフォード英語辞典に「カレーパウダー」の語が登場している。なお、ソースを重んじるフランス料理の影響から、小麦粉のルウでカレーにとろみを出す料理法が編み出されたといわれる。
「イギリス人がインド人のように、多種多様な香辛料を使いこなすことは至難の業だった。」というのは先述したように、インド料理のスパイスレシピが混沌としていることを考えるとよくわかります。そんなわけで、いわばイギリス式カレーの基準として誰にでも作れるようカレー粉が生まれたんでしょうね。
具材は肉のみ。チキンティッカはイギリスからの逆輸入料理
インド料理をヒントにしたブリティッシュカレーではありますが、具材は肉のみということも。現在の日本のカレーのように具材に野菜が入っていないのは意外でした。
インドのカレーは野菜や豆など様々な食材を具にするが、イギリスのカレーの中には具として牛肉のみのケースがあった。これはイギリスの中流以上の家庭で、日曜日に大きなローストビーフを焼く習慣(サンデーロースト)があったためである。その残り肉を一週間かけて食べるのであるが、残り肉の調理法のひとつとしてカリー・ライスがあった。サンデーローストの習慣が失われた現在では、家庭料理としてのカレーはほぼ廃れた状態である。
インド料理でも定番のカレー風味の焼き鳥・煮込み料理「チキンティッカ」はブリティッシュカレーをインド料理にアレンジしたそうです。発祥はどっちが先か後か、ということよりも互いに作用し合っているのが料理の面白いところ。
第二次世界大戦後、旧植民地の南アジア地域のインドとパキスタンが独立し、そこから移民を大量に受け入れることになったイギリスには、南アジア系移民の共同体とインド料理店が多数生まれた。ここで生まれたチキンティッカマサラは、インド料理のチキンティッカをカレーソースで煮込んだもので、ローストビーフの残り肉を煮込んだイギリス式のカレーを、インド料理が逆に取り入れたものであり、いまではイギリスで人気である。バルチもイギリス発祥のカレー料理である。こうした環境が、イギリスで家庭料理としてのカレーが廃れた理由のひとつといえる。
かつて家庭料理だったブリティッシュカレーは現在では廃れ、古典的な料理となってしまったようです。それでも、日本のカレーの原型となり、ルーツであるインド料理にもアレンジされた功績は大きいなと思いました。誰目線のコメントだ、これ。
日本のカレー(欧風カレー)
さて、日本の家庭料理として馴染み深い日本のカレー、ここでは欧風カレーとまとめて紹介します。欧風カレーというものの、ヨーロッパから伝わってわけではなく、フランスやイギリス料理の要素をカレーに落とし込んだもののようです。
定番の玉ねぎ・じゃがいも・にんじんは日本ならでは
意外なことにインドカレーもタイカレーも、具材に玉ねぎ・じゃがいも・にんじんがあまり使われておらず日本の欧風カレー独自だということ。
日本のカレーの具にはジャガイモ[注 4]・ニンジン・タマネギ[11]が使われている。これらが定着したのは明治時代の終わり頃である[10]。タマネギが使われ始めたのは明治20年以降であり[14]、それ以前はタマネギの代わりに長葱が使われていた[10]。野菜は具材として煮込む以外にも、素揚げや蒸かすなどした温野菜として添える場合もある。グリーンピースを飾りとして散らす事は、昭和時代によく行なわれていたスタイルである。
日本でカレーの具によく使われる肉は、豚肉・牛肉・鶏肉である[37][38][39]。NTTドコモ「みんなの声」にて投票を実施した2012年調査では『1位:豚肉、2位:牛肉、3位:鶏肉、4位:野菜のみ、5位:シーフード』[37]であり、ドゥハウスの2010年アンケートでも『豚肉42%、牛肉35%、鶏肉25%の割合順で好まれる』[38]という結果が発表されている。地域・年齢・性別による違いがあり[40]、50歳以上(とくに男性)は牛肉を好む傾向があるという[39]。1960年代の高度経済成長以降、肉の塊をたっぷり入れたカレーライスも珍しくなくなっている。
とろみのあるソース。「フォン・ド・ヴォー」「グレイビーソース」を使用
小麦粉によるとろとろとしたソースはインドやタイのカレーにない特徴です。また他国のカレー同様、スパイスを使用するものの、日本料理の鰹出汁、フランス料理のフォン・ド・ヴォー、イギリス料理のグレイビーソースなど、食材の旨味成分が溶け出したスープ・ソースが味の骨格となっている点が特徴的です。
カレーライスが家庭料理として普及しはじめた大正時代は、小麦粉とカレー粉をバター等で炒めてカレールウを作り、これを鰹だしなどで伸ばしてカレーソースを作っていた[32]。現在は湯で溶かすだけでカレーソースが作れるインスタント・カレールウ製品が普及している。カレーソースはターメリック(ウコン)に由来する「黄」が本来の色であるが、時代を下るとともに色が濃くなる傾向が指摘されている[33]。その理由として、黒くて激辛の「カシミールカレー」で有名な東京上野のカレー店デリー[注 3]や、フォン・ド・ヴォーやグレイビーソースを使う「欧風」カレー店の影響が考えられる。現在は着色料としてカラメル・イカ墨・黒ゴマ・ココアなどが積極的に利用されている。白色、緑色、青色を売りにするカレーも登場している。
基本味の中でも、日本由来で世界的にも認められた「うま味」を利用したのが日本のカレー・欧風カレー。少し極端な言い方をすると、インドやタイのカレーは「スパイス・ハーブの香りに重点を置いたカレー」、日本のカレーは「うま味に重点を置いたカレー」と言えるかもしれません。
【まとめ】インド・タイ・日本のカレーの違い
インドカレーやタイカレー、日本の欧風カレーについて調べてみると、例えば同じインドカレーでも様々なバリエーション・レシピがあり(タイ・日本も同様)、一概にそれぞれの違いを明確に言い当てることは難しそうです。
ですが、完全なひかる的所感としてそれぞれの違いをまとめてみます。
- カレーの具材
- インド:豆・野菜中心(肉を使うことも)
- タイ:肉・魚介類・野菜(タケノコ・パプリカ)
- イギリス:肉のみ
- 日本:肉・魚介類・野菜(玉ねぎ:じゃがいも・にんじん)
- ソースの粘度
- インド:さらさら
- タイ:さらさら
- イギリス:不明(とろとろという説も)
- 日本:とろとろ(小麦粉由来)
- 味の骨格
- インド:乾燥スパイス
- タイ:生ハーブ(+乾燥スパイス)
- イギリス:乾燥スパイス・肉のうま味
- 日本:肉・魚・野菜のうま味
ひかる
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