【刺身の保存の仕方】密閉して氷水に浮かべる

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こんにちは。ひかるです。

魚屋さんで買ってきた魚を捌いて刺身にする。買ってきたその日ならいいのですが、それを刺身で翌日に食べるのは気が引けます。

熟成はおいといて、刺身は鮮度が重要な料理。それでも保存方法を見直すことで翌日以降でも美味しくいただくことはできないのかという問いについて実験してみます。

刺身の保存中に起きていること

買ってきた刺身(お店で調理されたもの)を夕飯で食べて、食べきれなかったものは冷蔵庫へ。翌日食べようとしたところ、その大きな変化に気づいて落胆した、なんてことは誰しもが経験があることだと思います。

魚を冷蔵庫の中で保存するうちに何が起こっているのか。

酸化

魚に含まれる脂質は空気に触れることで酸素と結びつく酸化。

これによって身色が茶色く変色します。見た目にも鮮度がいいとは思えない色味は食欲をかきたてるものではなく、特に脂の乗ったイワシの刺身を冷蔵庫で保存すると変色しやすい。

捌いて身が露出した状態では、空気と触れ合うということがNGということです。

腐敗(熟成)

水分を含む食材は時間経過と共に腐敗(熟成)が進みます。

()としたのは腐敗も熟成も同じことのようで、食べ物として悪くなることを腐敗、良くなることを熟成と読み替えるだけのことだそう。

確かに、最近マイブームの野菜の塩水発酵漬けにいたっては明らかに酸っぱくて臭気も発生していますが、美味しくいただけます。一方、これが野菜ではなく生肉だった場合は調理せずに捨ててしまうことになる。前者は熟成(正確には発酵)だし、後者は食べられない状態になっているので腐敗です。

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2021年3月18日

刺身用の生魚においても同様で、あえて寝かせて熟成させることも大いにあって。科学的には熟成保存させることで、うま味成分であるイノシン酸が増大することで文字通り美味しくなります。また、白身魚など鮮度の良すぎる魚は身の弾力が強すぎるため、熟成によって柔らかくしてから刺身や鮨にすることがなされています。熟成保存には適切な処置が必要なわけですが、一方で例えばエラ・ウロコ・ハラワタがついた何もしない状態で冷蔵庫にいれておくだけでは腐敗が進み、食べられない状態になってしまいます。

腐敗に進むか、熟成に進むか。色々と変数はあってここでは取り上げませんが、その変数の一つに「温度」があるのは間違いなく、常温保存はもってのほか、冷蔵庫保存にしても、さらに低温で温度変化の少ない「チルド室」での刺身用生魚の保存がベターなのは広く知られているところです。

冷蔵庫は扉の開け閉めによって非常に温度変化(温度上昇)が起こりやすく、その度に食材の保存状態を悪くしていることを意味します。チルド室は、さらに扉が設置されていて開け閉めを防げるし、比較的低温になるよう設計されています。

もうひとつ、今回取り上げたい変数は「自重」、魚自身の重みです。

圧力がかかると細胞が潰れ腐敗や熟成などの科学的な変化が進みやすくなる。これは漬物や梅干しづくりの時に重しをして水分を表出させることを促進させることからもわかります。

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2021年2月12日

魚でも、圧力がかかれば水分が出てその水分が時間経過と共に腐敗の元となります(ドリップ)。ドリップのついたべちゃべちゃの刺身は食感悪く、においも気になります。かといってドリップを拭き取ったとしても、ドリップにはうま味成分も含まれているので水分を抜きすぎて、味のない刺身になってしまう。

いかに、魚に物理的なストレスをかけずに(ドリップを出さずに)保存するかが重要であるかということが言えるかもしれません。

刺身保存の仕方を「酸素」「温度」「自重」から考える

今回実験してみたいのは「酸素」「低温」「自重」をキーワードとします。具体的には、次を達成できる保存方法を考えてみます。

  • 保存する魚を酸素と触れ合わせない
  • 一定した低温状態を維持する
  • 魚の自重を取り除く

今回用意したのは上からイサキ、イワシ、アジ。

イワシは手開きに、アジとイサキは3枚おろし。なるべく身の酸化を防ぐために皮付きのまま保存します。

酸素と触れ合わせないためにシーラーを使って密封してみます。

ビニル袋と魚が密着することで酸素が介在せず、同時に乾燥を防ぐと。

次に容器の中に氷水を用意しその中にシーリングした魚を浮かべる。氷水によって魚全体が漏れなく低温状態にします。たとえば、バッドに並べて保存するとバッドに接している面、空気と接している面では表面温度に違いが出ますが、水中ならばムラがでにくい。

「浮かべる」という点もポイントで、浮力によって自重がかからないことでストレスがかからないのではないかという狙いです。

食感(歯応え)、身色、うま味がどれだけキープできるかを検証します。

24時間保存したのが右側。身色についてはアジ・イサキはほぼ変化がなく。色の変わりやすいイワシは多少の黒ずみはみてとれますが、それでも普段の「バッドにラップしてチルド室」保存に比べれば変色が少ない。

左はさばいてすぐ。右は24時間後の魚を刺身にしたもの。大きな変化は見て取れず、食べてみると、ドリップが出てうま味がない、ということもなく。食感は多少の軟化は感じられますが、通常保存と比べると明確に歯応えが残っています。

密閉して氷水に浮かべる保存方法は十分可能性があるように感じられました。

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ひかる




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ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。