ラーメンの。八王子と家系と神奈川と。

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こんにちは。ひかるです。

 

ラーメンの食べ歩き、新規開拓を再開。引っ越しをきっかけに、これまで遠方でなかなか行けなかった地をまわり始めようと。ラーメンに限らずプロのお店に食べに行くと、料理のヒントや刺激を受けさせてもらえます。普段は料理してばっかりですが、他の人が作った(しかもプロが)ものを食べるのはいつも新しい発見があり。料理人が他店で「勉強させてもらう」というあの感覚です。僕ごときが偉そうに。

 

まずは八王子。5年近くブックマークしていた煮干しのお店とご当地「八王子らーめん」の名店です。

 

煮干鰮らーめん 圓 八王子本店

>>食べログ|煮干鰮らーめん 圓 八王子本店

いつか行きたいと思っていたものの、八王子という立地からなかなか足が向かず。気付いたらブックマークしてから5年経っていました。やっと来れました感慨深い。

 

昨今、煮干のいいところも悪いところも爆発させた「超絶ニボニボ」なお店が流行っていて、中毒性の高さから大人気ですよね。

こちらの煮干ラーメンは奇をてらわず、無駄の一切ない煮干スープ。ものすごくシンプルなのだけど、だからといって「厚みがない」「物足りない」わけはなく完成されています。流行に左右されず、敵を作らず誰からも長く愛される、ポップというよりコンサバなラーメン。「良いものは古くならない」ということを思い知らされました。

 

八王子ラーメンを食べに。「タンタン」

2軒目はご当地「八王子ラーメン」の人気店。土日休みの平日昼間のみの営業と来店ハードルの高いお店です。

>>食べログ|タンタン

 

八王子ラーメンとは。

豚骨を使ったダシに醤油タレと中細の中華麺からなるラーメンである。具は一般の醤油ラーメンと同様、チャーシュー、メンマを基本とし、加えてきざみタマネギをトッピングとして使用する点が、共通の特徴である。また、液状の透明な脂(あぶら)をスープの表面に浮かせていることが基本形である。八麺会の定義によると「生きざみタマネギを使用すること」が必要条件となっているが、上述の共通点以外においては、味やトッピング、メニュー、その他のスタイルは店舗によって様々である。

出典:Wikipedia|八王子ラーメン

 

豚骨清湯だろうか、透き通ったスープにカエシがキリッと効いています。甘味の強いラーメンが隆盛の中、昔気質の醤油の塩味を強く感じさせる鋭利なスープ。

動物系の香味油もしっかり存在感を醸していて、同じ醤油ベースのラーメンでも1軒目の圓さんとは対照的なラーメンです。ハシゴしても飽きません。

 

丼がかわいらしくていいなあ。持って帰りたい。

 

八王子といえば、他にもほっこり中華そば もつけらあめん大安などラーメンの名店揃い。全部制覇するつもりで八王子にやってきましたが胃袋が断念。。

 

麺処 懐や

鷺沼。日曜休み・昼間のみ営業と、会社員時代なら「まず無理」なハードル。

>>食べログ|麺処 懐や

 

一度に2人前のみ丁寧に仕上げるゆえ、長時間待ちは当たり前との前評判通り、10人ほどの待ちで90分ほど待ちました。

 

しょうゆの特製。細麺を選択。チャーシューは提供直前に七輪で炙っていました。そりゃ時間がかかるわけだ。嬉しいこだわり。

 

ラスト1とのお声がけにネギチャーシューごはんも。

 

手がかじかみながら、90分近く待たされると自ずと期待値は上がりすぎてしまうもので、こういう時の満足度は下がりがち。

ですが、そんなことは全くなく。全くもって特別な品質や素材を使っていないのだろうものの、ここまで美味しいラーメンはそうはありません。動物とか魚介とか、カエシの醤油感とか塩味、香味油とか。

ラーメンに使われる素材ひとつひとつ全てに何かしらの意図があってそこに存在するからなにひとつとして余計がなく。何かと何かがケンカして打ち消しあっていることもないから、複雑なんだけどそれでいて一つのゴールに向かって一本筋が通っているような。

雰囲気は素朴で、万人に食べやすく、だけど「食べたことのあるあの味」という喩えられるような平凡さはなく、ものすごく高い次元の味わい。うまい、ではなく美味しい。

こんなラーメンが作れたら素敵だなあ。僕が目指したいはるか先にあるラーメンでした。

 

家系総本山 吉村家

神奈川といえば、家系。総本山へ行ってきました。

 

>>食べログ|家系総本山 吉村家

 

家系ラーメンは、チェーン店含め様々食べてきましたが、未だその源流には足を踏み入れておらず。今さら感。

平日昼間だというのに、ものすごい行列で40人ほどの並びがありましたが、オペレーションの妙で、あっという間に席につけました。他の有名ラーメン店とは異なり、ずらっと並んでささっとラーメンにありつけるスタイルは食のエンターテイメントな雰囲気。行列という苦行いらず。

肝心の味わい。チャーシューはもも肉に薫香をつけたタイプ。スープは家系特有の豚骨醤油感がいい意味でなくって、臭みゼロ。これまでの経験から家系って「豚骨食らえ!(どやっ)」なガシガシ攻めてきてイケイケなノリだと思っていましたが、イメージが覆されました。ごめんなさい。

僕はとても繊細なスープに感じました。僕は。全くもって家系の「コッテリ」した印象が感じられない。むしろこっちのが好み。豚骨のかおりどーん!醤油のキレどーん!ではなく、丸くてまろやかで野暮ったい甘さはない。

今まで食べてきた「あの味」一体なんだったのだろうか。吉村家さんが「家系ラーメン」だとすると「あの味」は別の何かに定義しないといけません。それぐらい別物感があって面白かったなあ。

 

くり山

家系の次はつけ麺を。

>>食べログ|くり山

僕の中でつけ麺といえばやっぱり豚骨魚介。もちつるっとした麺に魚感の強いつけだれ。つけ麺とラーメンって別物だと思っているのですが、つけ麺はラーメンというより日本そばに近い。

麺のうまさを味わい、それをかつおの旨味あるつけだれが支える。日本そばのように、麺だけ食べてもよし、麺はつけだれに全浸けでなく、麺先にちょこんとつけるだけで十分。そんなつけ麺が理想的です。

麺とつけだれのバランス。つけだれにうま味を爆発させても、麺との相性もある。こうして言語化してみると、つけ麺って奥が深い。

くり山さんはまさに「これぞ」というつけ麺。麺のうまさが際立っていてつけだれを忘れてしまうほど。これでたれの存在感が強すぎればかえって全体を損なうのだけど、主張しすぎることなくあくまで「麺が主役」な印象が最高でした。

 

ラーメン 末廣家

次は吉村家出身の人気家系ラーメン。

>>食べログ|ラーメン 末廣家

キャベツ増し。

吉村家で家系ラーメンの定義が見直され、その記憶があるうちにと確認のため食べに行きましたが、やはり。吉村家直系とのことでしっかりその味を引き継がれていました。

こちらも吉村家同様チャーシューはもも肉に釜焼き。豚骨スープに薫香のあるチャーシューというのはとてもいいアイディアですね。勉強になります。

 

煮干しつけ麺 宮元

>>食べログ|煮干しつけ麺 宮元

やっちまいまして、つけ麺食べにきたのに食券は煮干しそば。提供時に気づくのは相当ショックが大きいもんですね。数分、現実を受け止められません。

が、しっかり覆してくれました。とっても美味しいらーめん。煮干し爆発、甘味あるとろみのしっかりしたスープ。このとろみが麺に絡みます。ラーメンのスープというよりは、つけ麺のつけだれな印象。

他にも同じベクトルのドロドロ煮干しそばはたくさんありますが、ラーメンスープではなくつけだれ感があったのは宮元さんがはじめて。なんでだろう、バカ舌なのでわかりません。けどうまい。

 

麺処 秋もと

曜日限定の味噌ラーメンを頼って。

>>食べログ|麺処 秋もと 

 

味噌ラーメンって、ものすごく難しいように思います。というのも、「味噌 × 汁物」といえば日本人には味噌汁があるからで。

「食は洗脳」なので、ヒトは最初に口にしたものを記憶して(しかもそれをうまいと思う)、次の新しい何かを食べた時にデータベースから近しいものを引っ張り出します。あの独特なにおいの納豆を日本人が平気で食べられるのはまさに洗脳です。僕も大好き。アジアにおける昆虫食とか。

プリンに醤油でウニ味になるのも同じ仕組みで、もし、ウニよりもプリン醤油を先に食べて(親しんで)いたら、ウニのことを「プリン醤油みたい」と感じてしまうようにできています。

この点、味噌ラーメンには乗り越えなければならないハードルが日本人にとっての味噌汁。どうしたら味噌汁感から抜け出しラーメンとして確立するか。味噌汁には「動物系の出汁」とか「味噌数種類のブレンド」とか「動物や野菜から抽出した香味油」という要素はないのだけど、それでも味噌汁を連想させられるのが味噌ラーメンの宿命。

「それがいい」という派閥も確かにいて、味噌ラーメンの目指すべき到達点は他のラーメンと比べて着地しづらく意見が分かれるというのが、あらためて「食」の面白いところです。秋もとさんの味の感想にはなってないのだけど。

 

ひかる




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ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。