こんにちは。ひかるです。
先日は家庭でつくる本格ラーメンを取り上げました。
>>家庭で簡単に作れる自家製ラーメン。貝と煮干しの本格Wスープの作り方
本格的な自家製ラーメンが家庭でつくれますが、素材を用意したり時間がかかったり、どうしてもカップラーメンのような手軽さにはなりません。もっと簡単に本格的なラーメンは作れないものか。
上記エントリーにて詳しく書いてますがラーメンは出汁料理です。そして、出汁は「うま味」をしっかりと抽出することで美味しくなります。
ということは、「うま味」を抽出して料理に添加する”化学調味料”を複数組み合わせたら、粉末だけで簡単にラーメンスープの出汁ができるのかも??
多くの家庭キッチンで常備されている化学調味料だけでラーメンが簡単に作れたら、思い立った時にいつでもラーメンが食べられます。
今回は粉末だけでつくる化学調味料「パウダーラーメン」を作ってみました。ちゃんと美味しいラーメンになりました。
サマリー
- 化学調味料だけでラーメンのダシはつくれる
- 使う化学調味料は「魚介」「鶏ガラ」「味の素」の3つの粉末
- 化学調味料にお湯を注ぎ、カエシと香味油を加えればラーメンスープの出来上がり
- カエシの代わりに醤油(or塩)、香味油の代わりにごま油(orラード)でもOK
- ただし、パウダーラーメンは素材から丁寧に取ったラーメンにはあと一歩及ばない印象も
CONTENTS
化学調味料でつくる「パウダーラーメン」の理論
なぜ化学調味料でラーメンができるのかをサクッと触れます。
ラーメンはダシの「うま味」を味わう出汁料理です。豚骨や鶏ガラ、煮干しや魚介に野菜と様々な素材からうま味を抽出してダシをとり、そこにカエシと呼ばれるタレと香味油を加えることでラーメンのスープが出来上がります。
ラーメンは出汁料理といいましたが、他にも出汁を味わう代表的なものでは和食だと味噌汁、鍋、煮物。和食に限らず全ての西洋料理のルーツと言われるイタリアンでもブイヤベースは魚介のうま味がいっぱいのスープです。
うま味を科学的にみていくと、代表的なものとして次があります。
- アスパラギン酸(ex.大豆、卵)
- グルタミン酸(ex.昆布)
- イノシン酸(ex.肉、魚)
- グアニル酸(ex.干しシイタケ)
- コハク酸(ex.貝)
1・2はアミノ酸系、3・4は核酸系、5は有機酸系というカテゴリーに属します。
こうした「うま味」を組み合わせて水の中に閉じ込めればダシになり、そこにカエシと香味油を加えることでラーメンのスープとなるんじゃないかなというのが今回の出発点。
料理に「うま味」をプラスする化学調味料はたくさんあります。
全て顆粒の粉末タイプで、日常の料理にさらさらっと加えると料理の味を確かなものにしてくれます。
和風だしや中華だしの主なうま味はイノシン酸、味の素はグルタミン酸です。今回はこれらを使います。
「化学調味料は身体に悪い」というウワサがありますが、このブログ「ひかるぶろぐ」では料理について書きますが「身体に良い・悪い」は論じません。それは様々なウワサは現状では科学的な根拠がないものがほとんどだからです。
ちなみに、味の素は「化学調味料」という分類ではありますが、文字通りの”ケミカルな”物質や方法で製造されていません。
味の素は主にグルタミン酸ナトリウムでできていますが、原料と製造方法は次の通り。
Q. 味の素®の原材料は何?製法は?安全なの?
A. 原料はさとうきび。ヨーグルト、醤油や味噌と同じ発酵法で作ります。「味の素®」の主な原材料は、グルタミン酸ナトリウムです。グルタミン酸ナトリウムの原料は、日本ではさとうきびです。さとうきびの糖蜜に発酵菌を入れて、醤油や味噌などを作る方法と同じ発酵法でグルタミン酸ナトリウムを作ります。
原料はさとうきび。製造方法は「発酵」です。さとうきびを発酵させてグルタミン酸を抽出しています。味の素が醤油や味噌と違って身体に危険といえるのか、僕は疑問です。
粉末化学調味料スープが味の決め手「パウダーラーメン」の簡単な作り方
粉末だけでダシから作っていきましょう。
上から時計回りに、和風だし(茶色)・鶏ガラスープ(黄色)・味の素(白色)。
この3つの化学調味料を丼に入れます。主役はイノシン酸、下支えでグルタミン酸。魚より肉の風味を効かせたスープにしたいので、1:2:1ぐらいの割合にしました。
丼には作っておいたカエシと、
香味油(鶏油)を加え、お湯を注ぎます。しっかりと粉末を溶かしてあげればラーメンスープの出来上がり。
パウダーラーメンスープ(1人前)の配合
醤油
- 鶏がらスープ:2g
- 和風だし:1g
- 味の素:1g
- 香味油:1g
- カエシ:15g
- お湯:300ml
塩
- 鶏がらスープ:2g
- 和風だし:1g
- 味の素:1g
- 香味油:1g
- 塩:2g
- お湯:300ml
カエシと香味油の作り方はこちらのエントリーをどうぞ。
>>家庭で簡単に作れる自家製ラーメン。貝と煮干しの本格Wスープの作り方
カエシや香味油がない場合は、カエシの代わりに「醤油(or塩)」、香味油の代わりに「ごま油(orラード)」を使います。ただし、カエシには干しシイタケのグアニル酸が入っているので、単なる醤油だと出来上がりのスープは物足りなさが出てしまうかも。
その間に麺を茹でて、トッピングでチャーシュー、味玉、ネギを盛りつければ粉末化学調味料スープの簡単パウダーラーメンの完成です。麺は乾麺タイプの中華麺がおすすめ。特にマルタイはカップラーメンと違って食感が生っぽくてとても美味しい。
粉末化学調味料スープ「パウダーラーメン」の調理時間は麺を茹でる5分ほど。これならラーメンを食べたい時にすぐに作れます。
超絶簡単な粉末化学調味料スープでつくる「パウダーラーメン」の味について
見た目は本格的なお店のラーメンのようですね。
肝心の粉末化学調味料スープの味ですが、、、ちゃんと美味しい。中華だし、和風だしの香りがしっかり感じられます。味の素は僕の舌ではちょっとわからない笑。
ただし、素材から丁寧に取ったダシと比べてしまうと、あと一歩及ばない印象です。十分美味しいんだけど何かが足りない感覚。クセがないというか。
ここからは僕の仮説ですが、おそらく化学調味料で「うま味」が添加することはできても、素材から出る「雑味」が添加されていないから物足りなさを感じるのかも。素材から出るアクなどの雑味は普段料理するときは不要なものとして極力取り除かれます。
しかし、もしかしたらこうした雑味はすこーし残っていた方が料理がしっかりするのかもしれません。もちろんパウダーラーメンの場合は、素材のうま味や雑味以外の素材そのものの味がないことが物足りない要因でもあると考えます。
とはいえ、パウダーラーメンは僕的にはアリでした。家庭で素材からダシを取る本格ラーメンも美味しいのですが、調理時間は少なくとも2時間は必要になります。しかしパウダーラーメンは化学調味料さえあれば5分ほどでできてしまう。
というか、ここまで書いていながらそれならカップラーメンや袋ラーメンでいいじゃんって声が聞こえてきそうですね。笑
まーでもカップラーメン・袋ラーメンも用意しておかないと食べられないので、普段から料理に使う粉末化学調味料の方が汎用性が高くて使い勝手がいいかもしれません。
本格的なラーメンを作りたいときはこちらをどうぞ。
>>家庭で簡単に作れる自家製ラーメン。貝と煮干しの本格Wスープの作り方
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