こんばんは。ひかるです。
「お寿司=お店で食べるもの」
とかつての僕は思ってました。確かに、江戸前の美しい職人技、仕事はなかなか真似できるものではありませんよね。食べきれないからネタもたくさん用意できません。でも、僕はお寿司が大好き。家で自分でにぎって食べたい。
そんなことで自宅で握り寿司をやったりするのですがわかったこと。ネタも大事だけどシャリ(すし飯)がちゃんとしてたらお寿司として成立するんです。
お寿司屋さんのような本格的なすし飯を用意すると、スーパーで買ってきたお刺身でもいいんです、お寿司(手巻き寿司、海鮮丼)が自宅で楽しめますよっていうエントリーです。
今回はお寿司屋さんが実際に使っているすし飯レシピを紹介します。
サマリー
- すし飯には「アレ」が入っているが
- ちゃんと科学的な根拠がある
- すし飯を味覚の作用から捉えると面白い
- 簡単にすし飯を作るなら、粉末すし酢という選択肢もある
CONTENTS
すし飯に「アレ」が入っているとは・・・
レシピに入る前に、すし飯って何が入っているかサラっとさらっていきます。
「え、白米にお酢だけじゃないの?(ぽかーん)」
無知な僕はそう思っていました。しかし、調べてみるとすし飯には次のものが入っています。
- 酢
- 食塩
- 砂糖
食塩に砂糖!?え、全然しょっぱくないし甘くないじゃん!僕はびっくりしましたが主婦さんには当たり前の話なんでしょうか。
お米の特徴や砂糖の効果をしれば知るほど、その理由に納得です。
すし飯に砂糖が入っている理由
なぜすし飯に砂糖が入っているのか?それはお米のある特徴を防止するためです。それは「デンプンのα化」を防止するためです。
このブログで何度か紹介しているのですが、お米の大部分はでんぷん質でできています。でんぷん質は加水分解(水と一緒に加熱すること)させることで粘り気がありふっくら柔らかく食べられる状態になります。これが炊飯ですね。炊きたてのご飯の美味しさといったら格別。
ただし、誰しもが経験するように、あの炊きたての美味しいご飯は翌朝、硬くなり別物に化けます。お米は冷えると硬くパサっとしますがこれを「デンプンのアルファ化」といいます。ちなみに炊飯前のお米もαデンプンの状態、炊飯して柔らかく粘り気のある状態にすることを「β化」といいます。
熱々のシャリで握られたお寿司って食べたことないですよね。すし飯は作る工程で必ず冷まします。しかし、お米を冷ますということは先述したように「アルファ化」してしまうので、食感が悪くなってしまいます。
そこで砂糖の出番。砂糖にはデンプンのアルファ化を防止する効果があります。他にも食材から水分を奪い(脱水性)、水分を保つ(保水性)などの効果で料理に応用されています。甘味をつけるだけじゃないんです。砂糖おそるべし。
確かに、すし飯に砂糖を加えると、一晩経っても美味しく食べられます。
「味覚」から捉えるすし飯
また、面白いのが味覚について。すし酢の構成要素である「酢」「食塩」「砂糖」はそれぞれで影響し合っています。
酸味+塩味=抑制効果
食塩の塩味はお酢の酸味を抑える効果があります。塩味が酸味を抑えるというか、それぞれが互いに打ち消しあうというイメージ。そっか、だからすし飯って酸っぱ過ぎないんですね。
塩味+甘味=対比効果
バランスにもよりますが、塩味と甘味が合わさると甘味が強くなる(より甘く感じる)場合があります。スイカに塩、おしるこに食塩とか。ただし、これは甘味が塩味よりも大きく強い場合の話。
すし飯では食塩と砂糖で大きな分量の差はないので、どちらかというと「酸味」「塩味」「甘味」それぞれの抑制効果が働いています。このあと紹介しますが、すし酢にはびっくりするぐらい食塩と砂糖が入っているのに、しょっぱくなければ甘くも感じません。不思議ですね。
まとめると。すし飯に砂糖が入っているのはご飯を冷ましても硬くならないようにするためで、ただし砂糖だけだと甘すぎてしまうから(+酢で酸っぱくなり過ぎないように)食塩を加えてバランスを取っているともいえるわけ。
料理を科学的に理解しておくのはとても重要で、今回の場合「すし飯って何が入っているんだっけ?」ということになりません。
ネットの料理レシピサイトは便利ですが、いざレシピがないと同じ料理ができないのは、「なぜこれを使うのか?」その理由を理解していないからです。
お寿司屋さんのすし飯のレシピ(作り方)
前段が長くなりましたが、すし飯レシピの紹介です。といっても、さきほど書いてきたように使うのは
- 酢
- 食塩
- 砂糖
これだけ。
僕のバイブルです。この本にはお寿司屋さんで行われている様々な仕込みの情報(テクニック)がぎゅっと詰まっています。もちろん、それぞれの魚の捌き方、処理、仕込み、切りつけetc.
すし職人の技術を写真付きで勉強することができます。
すし飯レシピ①すし飯の配合
ということで、お寿司屋さんのすし飯の「すし酢」は次の配合です。お米1合につき・・・
- 米酢:18〜23g
- 食塩:4〜5g
- 砂糖:4〜13g
お寿司屋さんによってそれぞれの分量に幅はありますが平均するとこれぐらいのようです。この範囲内ならどんな分量でも美味しくすし飯が出来上がります。
舌が鋭敏な方はぜひ好きなバランスを見つけて見てください。僕はバカ舌なので細かい配合のはよくわかりません。
ちなみに料理をするときは「cc」より「g」で統一して計るのがおすすめ。「cc」は調味料によって分量が全く異なるためです。例えば、
- 醤油:15cc = 18g
- 酢 :15cc = 15g
同じ15ccでも重さに差が生まれます。計量スプーンで同じ量を計っているはずなのに重さには3gもの差が。これは醤油と酢で質量に違いがあるためですが、グラムで測ればこうした誤差は生まれません。
こちらのサイトがとても詳しくまとめてくれてます。
「cc」である計量スプーン・カップは何かを計ったら一度洗わないと次の調味料を計れませんが、「g」ならクッキングスケールの上でいっぺんに分量を計ってしまうことができます。
すし飯レシピ②白米とすし酢を混ぜ合わせる
白米は硬めに炊きます。柔らかめに炊飯するのは絶対NG。すし飯に「ご飯特有の粘り気」は必要ないためです。柔らかに炊いてしまうと粘り気が強くなってしまう。
粘り気を出さないために、すし酢で米粒1つぶ1つぶをコーティングするようなイメージをもってください。
ボウルに炊飯した白米をあけ、配合したすし酢まわしかけます。理想を言えば飯台(はんだい)を使いたい。
↓↓↓こんなヤツ↓↓↓
理由はお寿司屋さんっぽい雰囲気が出るからです。
うそです。木材は米の余分な水分を吸ってくれます。特に炊きたてのご飯は熱を持っているので周囲を冷やして水分をまといやすいので飯台に吸わせられると作りやすい。僕もいい飯台欲しいなあ・・・。なければ金属製のボウルでも問題なく作れます。
混ぜ合わせるのにもポイント。しゃもじの側面を使って「切るように」混ぜ合わせます。炊飯したご飯は潰れると米粒の中からでんぷん質が飛び出し粘り気が生まれます。しゃもじの面を使うとご飯がつぶれやすいので、面の部分は米をひっくり返すときだけにします。
あくまで米粒をすし酢でコーティングすることが目的なのでつぶれないように混ぜ合わせるわけです。
すし飯レシピ③混ぜ合わせたすし飯を冷ます
混ぜ合わせてポロポロとしてきたら、うちわなどで風を送り冷まします。ボウルの中で薄く広げ、たくさんの米粒に風が当たるようにします。ある程度冷めてきたら広げたすし飯をひっくり返してボウルと接していた面にも風を送り冷まします。
これにて完成。艶がでてます。握り寿司に、手巻き寿司に、海鮮丼にどうぞ。
もっと簡単にすし飯をつくれる「すしのこ」という魔法の粉末すし酢
紹介してきたように、いろいろとウンチクはありますがすし飯は意外と簡単に作れちゃいます。が、それでも面倒くさいっていう面倒くさがりさんへ。もっと簡単にすし飯を作れてしまうアイテムがありますよ。
すし酢の配合一切必要なし!
粉末すし酢の「すしのこ」です。スーパーいくとひっさりと調味料コーナーに並んでいるはず。ロングセラー商品で、商品パッケージデザインは味があってかわいい。
粉末すし酢というだけあって、さらさらのパウダー状です。これで本当にすし飯ができるの?って感じですが香りはすし酢そのまんま。
「すしのこ」すし飯の作り方はとっても簡単。あたたかいご飯に「すしのこ」を粉のままふりかけ、まぜるだけ。
当たり前ですが、見た目は合わせ調味料からつくったすし飯と違いはありません。当たり前か。
白ごま振って・・・
アジのヅケをのせて丼にしました。
肝心の「すしのこ」すし飯の味ですが、合わせ調味料のすし飯とは若干違います。甘みが強く酢の香りが強い印象です。僕はイチからつくるすし飯の方が好きですが、これは好みの問題かも。
たまーに、すし酢の配合を間違え失敗することもあります。砂糖と塩って似てるじゃないですか(初歩ミス)。
ので、「すしのこ」を使えばそんな凡ミスも起こり得ないので手軽にすし飯が作れるのがいいなと思います。
アジではありませんがイナダも美味しい。
紹介したアイテム
- すしの技術大全
- タニタ デジタルクッキングスケール 1kg/1g ホワイト KD-187-WH
- パール金属 木製 飯台 30cm 約 4合用 和の里 C-2961
- ENTEC クックボール 21cm PB-421
- タマノイ酢 すしのこ 75g
ひかる
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