こんにちは。ひかるです。
焼きそばにはウスターソース。とんかつにはとんかつソース。
>>衣がはがれる理由は?サクサク柔らかジューシーなとんかつを作るコツ
それ以外に中濃ソースもあるけど、これは何に使うんだろう?
見た目全く同じ「中濃」「とんかつ」「ウスター」3つのソース。それぞれ何が違うのかまとめました。冷蔵庫にそれぞれ用意する必要があるのか?どうやって3つのソースを使い分けたらいいのでしょうか・・・?
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海外で「ウスターソース」といえば、リーペリン
困った時のウィキペディア。ウスターソースの発祥は意外にもイギリスでした。個人的には日本の調味料のイメージが強かったのに。
ルネサンス期、宮廷ではソース研究がされ、17世紀には、一般家庭でも独自のソースが作られるようになった。19世紀初頭にイギリスのウスターシャー州・ウスターの主婦が、食材の余りを調味料とともに入れ保存したままにしたところ、ソースができていた。このことがウスターソースの始まりとされている。
イギリスで生まれたウスターソース、世界初の商業ソースメーカーは「リーペリン社」で、現在世界で最もポピュラーなウスターソースのようです。一度試してみたい。
1835年頃、当地のマーカス・サンディ卿が、イギリスの植民地であったインドからインド・ソースの作り方を持ち帰り、薬剤師であった二人の人物(ジョン・W・リーとウィリアム・ペリンズ)に依頼して作らせたことがきっかけで商品化され、後に世界初のソースメーカーであるリーペリン社 (Lea & Perrins) が設立された。
現在では、リーペリンブランドのウスターソース(リーペリン・ソース)が、イギリスのみならず世界各国で広く使われているとともに、日本や東南アジアでは独自の製法が生み出されている。ただし、リーペリン・ソースはその製法が現在でも社外秘とされている。もっとも、無数のソースを生み出した料理大国であるフランス人は、ウスターソースを万能として使用するイギリス人を揶揄的に「百の宗教があるが、1つのソースしかない」と表現している。
「中濃」も「とんかつ」も「ウスター」も。どれも”ウスターソース”の一種だった
中濃、とんかつ、ウスターはどうやら、すべて「ウスターソース類」とされているようです。とんかつソースは正しくは「濃厚ソース」が一般名称なんですね。
日本の行政上では、「中濃ソース」やとんかつソースなどの「濃厚ソース」もウスターソース類として扱われており、それぞれ粘度が定められている。日本語で単に「ソース」と言った場合は一般にウスターソース類全般のことを指し、「ウスターソース」と言えば狭義のウスターソース、つまりウスターソース類の中でも粘度の低い製品を指すことが多い。
どれもウスターソース類と言われても、それぞれ味が違う(ような気がします)。細かくは3つに別れているということはそれぞれ違いがあるはずです。
中濃・濃厚・ウスターソースは”粘度”が違う
ウスターソース類には明確な違いがありました。日本では粘度によって区分されます。中濃ソースや濃厚ソースなどは日本独自に進化したため、世界的には細かく分類がなされず、ウスターソース一択のようです。
種類 | 粘度 | 特徴 |
ウスターソース | < 0.2 Pa・s | 最もさらっとしている |
中濃ソース | 0.2 -1.9 Pa・s | ややとろみがある |
濃厚ソース | ≧ 2.0 Pa・s | 一般的に「とんかつソース」。でん粉を加えて粘度を高めることが多い |
とろみの強弱と言われると確かにとんかつ(濃厚)ソースはとろっとろ、焼きそばに使用するウスターソースはさらさらしています。
他にも「お好みソース」「焼きそばソース」がありますが、濃厚ソースの一種。ソースはソースでも、醤油が加わるとウスターソース類には分類されないというルールまで。奥が深いソースの世界。
とんかつソース(他に各種材料を配合して用途をフライ専用に特化している)以外にも、お好みソース、やきそばソース、たこやきソース、どろソースなど、ウスターソースから派生し、商品名に用途を冠し、粘度や風味を調整したソースもある。多くは濃厚ソースに属する。一部のやきそばソースには粉末タイプのものが存在し、チルド焼きそばの添付品に多く見られる。 なお、商品名にソースと付いていても、必ずしもウスターソース類に入るとは限らない。例えば、オタフクソースは業務用のソースカツ丼ソース、焼きうどんソースなども製造しているが、これらは醤油などを加えた合わせ調味料であって、ウスターソース類には当てはまらない。
農林水産省のホームページに、ウスターソース類の定義と規格がしっかりと明文化されていました。それぞれのソースには「特級」と「標準」とクラス分けもされるようです。高級なウスターソース類が存在するってことなんですね・・・。興味。
かなり詳細なので省略しますが、以下の観点に照らし合わせて規格にあてはまらないと、ウスターソース類として認められないようです。
- 無塩可溶性固形分
- 野菜及び果実の含有率
- 食塩分
- 原材料(食品添加物についても言及) etc.
中濃・濃厚・ウスターソースの成分
最も興味のあるウスターソース類3つの成分の違いです。本家イギリスのウスターソースにはアンチョビが入っていること、多量の香辛料で辛味が強いことが特徴で、一方日本のウスターソースは甘みが強い。日本のウスターソースは世界とは異なります。海外から取り入れて独自に進化させるのが得意な日本。
イギリスのウスターソースは主原料に、モルトビネガーに漬け込んで発酵させたタマネギとニンニクの他、アンチョビ、タマリンドや多種のスパイスが使われているが、日本のウスターソースではアンチョビは使用されず、香辛料も辛味を抑えマイルドに仕上げられている。イギリスでは、シチューやスープなどに数滴落として風味をつけるなど、料理の隠し味として使用されることが多いが、日本では揚げ物、お好み焼き、キャベツの千切りなどにたっぷりとかける。かつてはカレーライスにかける卓上調味料として定番であったほか、白飯にかけてソースライスとして食べる例もみられた。
イギリスの元祖ウスターソースは、モルトビネガー等の食酢およびアンチョビ、タマリンド、エシャロット、クローブ、タマネギ、ニンニク、香辛料、糖類、塩などを材料にしている。同様に日本のウスターソース類も、ニンニク、トマト、リンゴなどの野菜・果実類に、糖類、食酢、食塩、香辛料、でん粉、カラメルなどを加えて作る。両者は外観・風味ともによく似ているが、日本のもののほうが甘みが強く、辛みは抑えられ[14]、とろみが強いといった若干の違いがある。
次にイギリスのウスターソース(リーペリン)、日本のブルドッグソースを例に原材料表示をみてみます。
- ウスターソース(リーペリン)
- 醸造酢
- 糖類(砂糖、糖みつ)
- 野菜・果実(タマリンド、たまねぎ、にんにく)
- アンチョビー
- 食塩
- 香辛料
- 香料
- ウスターソース(ブルドッグソース)
- 野菜・果実(りんご、トマト、たまねぎ、レモン、プルーン、にんじん)
- 醸造酢
- 砂糖
- 食塩
- 酵母エキス
- 香辛料
- 煮干エキス
- (原材料の一部に大豆を含む)
原材料表示では食品に含まれる原材料を重量割合が多いものから順番に記載するルールがあります。イギリスと日本のウスターソースを比べると、前者は醸造酢が多く、後者は野菜・果実の方が多い、という違いがあります。
使用した原材料を、ア及びイの区分により、次に定めるところにより記載すること。 ア 食品添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般 的な名称をもって記載すること。ただし、2種類以上の原材料からなる原材料(以下「複合原 材料」という。)については、次に定めるところにより記載すること。
- 中濃ソース(ブルドッグソース)
- 野菜・果実(トマト、プルーン、りんご、にんじん、たまねぎ、あんず)
- 醸造酢
- 糖類(砂糖、ぶどう糖果糖液糖)
- 食塩
- コーンスターチ
- たん白加水分解物
- 香辛料
- 酵母エキス
- 濃厚ソース(ブルドッグソース)
- 野菜・果実(トマト、りんご、プルーン、にんじん、たまねぎ、あんず)
- 醸造酢
- 糖類(砂糖、ぶどう糖果糖液糖)
- 食塩
- コーンスターチ
- たん白加水分解物
- 香辛料
- 酵母エキス
基本はウスターソースと同じですが、粘度を高めるためにコーンスターチが入っているという感じでしょうか。
原材料表示ではあまり違いが見えてこないので、日本農林規格を再び参照して日本の3つのソースの規格をまとめます。
まずはウスターソース。
次に中濃ソース、濃厚ソースですが、規格はほぼ同じ。
3つのウスターソース流について一概に比較は難しいのですが、次のことが見えてきました(特級での比較の場合)。
無塩可溶性固形分 | 野菜・果実の含有量 | 食塩分 | |
ウスターソース | 26%以上 | 10%以上 | 10%以下 |
中濃ソース | 28%以上 | 15%以上 | 11%以下 |
濃厚ソース | 20%以上 |
表から考えられるのは以下です。あくまでも規格なので、各社商品により違いがあるため一概にはあてはまりません。
- ウスターソースは他2つよりも無塩可溶性固形分が少ない(から、粘度低い?)
- ウスターソースは他2つよりも塩分が少ない
- 中濃・濃厚ソースはウスターよりもフルーティ
ひかる的 中濃・濃厚・ウスターソースの使い分け
各家庭の好みが一番かと思いますが、僕的に3つのソースの使い分けを考えてみました。
- 中濃ソース:不採用
- 濃厚ソース:とんかつ・キャベツなど食材にピンポイントに付加する料理
- ウスターソース:焼きそばなど全体を和えてなじませる料理
冷蔵庫に3つのソースは置いておけません。かさばるし、あまり登場機会の少ない調味料の一つだからです。そこから考えると、中濃ソースでなければならない理由が見つからず、今後使用しません。
濃厚(とんかつ)ソースは、粘度が高いこと、食塩分や野菜・果実が濃いソースである特徴から、今まで通りとんかつに、付け合わせのキャベツに使用します。とんかつの上で留まるとろみは必要で、ウスターソースでは皿の上に流れてしまいます。たん白なキャベツの千切りも野菜・果実の旨味で味に厚みをもたらしてくれます。それ以外にも、小皿に出してちょこっとつけて食べるような料理(例えが悪いけど刺身etc.)には使っていきやすいソースと考えました。
一方、ウスターソースはさらさらとしていて料理全体に散らばりやすいため焼きそばやカレーなどに使いやすそうです。カレーの隠し味にソースというのは割と一般的ですが、存在感は必要ないけど味の奥でソースが感じる、みたいな使い方がよさそうです。
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