こんにちは。ひかるです。
炊飯時のtipsを検証します。洗米後の水切り効果とは?
先日テレビにて、人気おにぎり店の炊飯テクニックとして「洗米後、一定時間水を切ってから炊飯すると粘り気が抑えられる」というものが取り上げられていました。
おにぎりを握る米には、僕も「水分量は少なく粘り気の少ない固めの炊きあがり」が理想と考えていますが、この炊飯tipsは本当に効果的なのでしょうか。
炊飯前の米は乾燥し水を吸いやすい状態です。洗米開始(水につけた瞬間)から水分の吸収が始まります。米を水に漬ける時間が長いほど、吸水率はあがり芯の残らない炊きあがりになるはずで、一定時間水を切っておくことで余分な水分の吸収を防ぐ。という理屈なら、このtipsは効果があるように思います。
洗米前、洗米後の重量変化を計量して確かめます。
検証:洗米後の米重量の増加率を比較する
次の2つの洗米・浸漬方法を比較します。洗米前と洗米(and放置)後の重量変化から、米がどれだけ水分を吸収したかを観察し、それぞれ10回試行します。あくまでも日常の炊飯時に軽量するため、その日によって炊飯量違いがありますが、1合(150g)〜3合(450g)の炊飯、増加率にて記録しました。果たして米は何g増量したのか。計20回の炊飯、なかなか時間のかかる検証でした。。お疲れちゃん。
- 検証方法1(検証tips)
- 洗米は優しく。水換え1回
- ざるにあげで水を切る
- 15分間放置
- 計量
- 米+水 = 洗米前重量×2.4」となるまで水を添加
- 炊飯
方法1では、洗米後ざるにあげて水を切ります。
- 検証方法2(比較対象)
- 洗米は優しく。水換え1回(水は捨てる)
- 改めて「米+水 = 洗米前重量×2.4」となるまで水を添加
- 15分間放置
- 計量 → 炊飯
洗米後に水切りをせず、計量した水の中に浸漬させるのが方法2。
方法1・2ともに、15分間置いた後炊飯します。
米が吸水する原理原則通りなら、今回取り上げるtipsである「検証方法1」の方が検証方法2に比べ、洗米後の米重量が軽くなるはずです。
結果:洗米後の水切り効果
洗米後、水を切って一定時間放置しておいた場合、そうでない場合と比べて吸水率に違いはあるのか。結果は次の通りとなりました。
検証方法1 (水切りして放置) | 検証方法2 (浸漬して放置) | |
試行1 | +14.3% | +23.3% |
試行2 | +14.3% | +23.1% |
試行3 | +13.3% | +25.7% |
試行4 | +17.6% | +27.3% |
試行5 | +17.0% | +25.7% |
試行6 | +18.3% | +26.0% |
試行7 | +16.7% | +30.3% |
試行8 | +15.8% | +22.0% |
試行9 | +18.0% | +23.6% |
試行10 | +11.3% | +21.5% |
米の品種は全20回の試行で4種類ほど使いましたが、それほど大きなばらつきもなく、方法1と方法2間の相違がしっかり表れました。
検証方法1の通り、ざるで水を切っていた方が約10%ほど吸水率が低い、想定通りの結果となりました。平均してだいたい+10%ほどの違い。炊飯前に水を切っておくと、米の吸水を妨げることができます。
こちらは方法2の炊きあがり直後。方法1と2の違いをビジュアルでも比較する予定でしたが、結果的にはあまり見た目の違いがなく・・・。
ただ、食べてみると確かに水を切って炊飯をした米の方が、粒立ちがよくパッツリとした食感。見た目の変化なし以上に違いを感じます。一方の水に浸漬させてから炊飯した米はふっくらと炊き上がっているようにはっきりと感じます。
結論:炊飯前の水切りによって、おにぎりは美味しくなる
水を切ってから炊飯をすることで、給水率が少なくなり粒立ちの良い炊きあがりになることがわかりました。
炊飯では水量の多寡が炊きあがりの米の硬軟を決定づけるのは自明のことですが、今回の検証ではどちらの方法でも、水は同量としました(米+水 = 炊飯前米重量 × 2.4)。違いはその水の中に漬けておくか否か。
浸漬させることで米の表面から水を吸収し、そのまま炊飯されると柔らかな食感に、一方で水切りをすることで米表面は比較的水を吸っていないためしっかりとした食感になる、というようなことが起きているのでしょうか。
炊飯前の水切りはおにぎりや握り寿司の時に役立つtipsでした。
ひかる
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