スーパーでの美味しい肉の選び方。「色が綺麗」はあてにならない

いい肉の見分け方
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こんにちは。ひかるです。

 

 

「一番美味しい肉はどれかな?」

 

普段スーパーで何気なく購入している食材たち。

精肉コーナーにいけば牛肩ロースのステーキ肉がたくさん並んでます。

僕たち消費者は1つ手に取って、良さそうなものを自然と選ぼうとしてますよね。

 

ただ、スーパーで美味しい肉の選び方って一体なんでしょ?

もしかしたら、肉の色で判断していませんか?

 

基本的にスーパーに並んでいるものは、新鮮なものほど美味しい。

肉や魚の熟成の話はありますが熟成工程は大抵、店舗に到着するまでに終えています。

だったら、「店舗に到着し、店頭に陳列されてから時間が経っていないもの」が鮮度がいいはずです。

中にはなかなか手に取られず、数日スーパーの陳列棚に並べられている肉もあるからです。

 

このエントリーでは美味しい、鮮度のいい肉の選び方について言及します。

 

結論から言うと、綺麗な鮮やかな色をした肉は新鮮ではなかったのです。わあ衝撃。

スーパーで美味しい肉の選び方にいく前に。肉を分子レベルから考える

スーパーで美味しい肉の選び方

ちょいと難しい話をします。ただこの辺りの理解が肉の色について考えるのに必要です。

高分子化学、生化学、調理化学などから考えてみます。

 

僕は文系ですが、頑張ってお勉強してみました。

高校時代は楽しくもなんともなかった理系科目ですが、興味ある料理からアプローチするとすごく楽しかった〜。

僕ひかるは文系なので、あまり専門的にならないように書きますね。

 

僕たち人間を含め、全てのモノは多種多様な要素の集まり、原子・分子で構成されています。

肉は大部分がタンパク質でできていて、タンパク質は次の3種類で構成されています。

  • 筋原繊維タンパク質(繊維状):ミオシン、アクチンなど
  • 筋漿(きんしょう)タンパク質(球状):ミオグロビンなど
  • 肉基質タンパク質(繊維状・網状):コラーゲン、エラスチンなど

 

それぞれについては次のような認識でOKです。

→筋原繊維タンパク質は筋肉をつくる。
→筋漿タンパク質は筋肉の間を埋める肉汁をつくる。
→肉基質タンパク質は組織全体を支える。

 

今回、話題にする「肉色」については筋漿タンパク質の「ミオグロビン」が重要な働きをしています。

で、ミオグロビンは色素タンパク質とも言われ、ミオグロビンが存在することで肉は赤色をしています。

ミオグロビンは筋肉に酸素を蓄える役割を担っています。

似た名前で「ヘモグロビン」がありますが、血液中に存在して肺から酸素を全身に運ぶ役割をするもので別物です。

 

余談ですが、「魚」と「肉」の違いとは?

話はちょっと逸れて。食べ物としての魚と肉の違いについて。

 

魚は陸上動物(肉)とは筋肉組織の構造が実は異なるんです。

  • 魚:速筋繊維が多い → 敵から素早く瞬間的に逃げるための筋肉
  • 肉:遅筋繊維が多い → 長時間運動するための筋肉

速筋線維は遅筋線維に比べ長さが短く細い形状をしています。

 

また魚は水中で重力が働かないため肉基質タンパク質(コラーゲン)も少なめです。肉基質タンパク質は組織を支える役割をしているので、そのままではとても固い食感。

しかし長時間加熱すると、トロトロぷるぷるに柔らかくなるという性質があります。

牛すじなんてわかりやすいですね。

 

  • 短くて細い形状をした速筋線維が多い
  • 固い食感の肉基質タンパク質が少ない

この2つの原因から、魚は肉よりも嚙みちぎりやすく加熱時間も短くすむのです。

 

速筋線維にはミオグロビンがほとんど含まれていません。

そのため白身魚の色は赤くないというわけ。

一方でマグロやカツオ、アジなどの回遊魚は広い範囲を移動する必要(多くの運動するために酸素が必要)があるため、遅筋線維が多い(=ミオグロビンも多い)ため、身が赤く見えます。面白くないですか?

スーパーで美味しい肉の選び方2

 

スーパーで美味しい肉の選び方「肉色の変化プロセス」

話を肉に戻して、ミオグロビン。

スーパーの肉は店内(もしくは加工センターで)大きな塊からカットされ、筋肉中のミオグロビンが表面に出現します。

実は切ってすぐの肉の色は紫がかった色をしています。これがミオグロビン本来の色。

新鮮な肉は実は紫がかった赤色なのです。

 

しかし、カットされしばらくすると酸化(空気中の酸素と結びつく)します。

酸化すると、ミオグロビンは「オキシミオグロビン」に変化します。

オキシミオグロビンは鮮やかな赤色。

僕たちが「美味しそう」と感じるあの綺麗な色です。

 

その後、さらに時間が経過し腐敗が進むと「メトミオグロビン」に変化し、茶色くなります。

実は肉にはこうした科学変化が起こっていたんですね。

スーパーで美味しい肉の選び方3

 

「美味しそう、鮮度が良さそう」と思っていた鮮やかな赤色は実は鮮度がいいものではなかったということが今回お知らせしたいところ。

しかし、私たちはなぜかあの色を求めてしまいます。

そのため、お店では商品をたくさん売るために酸素を通すラップで肉を包み、赤色に変色するようにしているのです(真空パックで酸素に触れさせなければミオグロビンのまま赤紫色)。

 

スーパーで美味しい肉の選び方まとめ

鮮やかな色は新鮮ではないということをお知らせしました。

スーパーで「肉色」は美味しい肉の選び方としてあてにならんのです。

 

ただし、美味しい肉を選ぶ方法として「ドリップ(肉汁)が少ないものを選ぶ」のは間違いがありません。

肉汁には水溶性タンパク質と栄養素も一緒に流れ出るため「ドリップ=うまみが抜けてしまっている」ということ。

トレーと肉の間に敷かれているパッドがドリップに染まって赤くなっていない、乾いている肉が比較的加工されて時間が経っていない(新しい)ものです。

(肉汁は赤色をしていますが血ではありません、ミオグロビンです。)

 

これからは綺麗な色した肉よりも、ドリップの少ない肉を選びましょう!

 

 

ひかる

 

スーパーで美味しい肉の選び方 参考文献

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ひかる




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ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。