食材の冷凍と解凍の原理とコツ

冷凍と解凍
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僕たちは食材を買い過ぎたり、料理を作り過ぎたりした時は冷凍庫を活用します。食材を腐らせないからちょー便利!

何でもかんでも冷凍庫へブチ込んでいるうちに、「古いものを前に出す」という先入れ先出しを無視する結果、いつから冷凍庫で眠っていたのかわからないような冷凍ミイラが現れたりするわけで。

今回は冷凍のメカニズムと解凍のポイントを取り上げます!!

食材が凍る温度は0℃だろうか

水は0℃で凍ることは学校で習いました。果たして、食材は0℃で凍るのかというとNO!凍りません。

ほとんどの食材には水分が含まれていますが、それらの水分は食品成分に溶けている(自由水)ために食材が凍るのは−1℃〜ー5℃。−5℃では食品中水分の75%が凍結すると言われていて、この温度帯で氷の結晶ができます。冷凍とは、食品温度を氷結点いかに下げて食品の自由水を氷結させることです。

冷凍は基本的に食品の鮮度を維持するための保存法ですが、

  • 微生物の発育防止!
  • 酵素活性の抑制(腐敗の抑制)!
  • 成分間の化学反応の抑制!

などがポイント。常温のように温度が高い環境では上記のような反応が進んでしまい食材が腐敗に向かって猫まっしぐらというわけです。

食材を冷凍するためのポイント

食材を凍らせるにはたくさんのエネルギーを必要とします。「食品が凍る=食品中水分が氷の結晶になる」ということですが、凍るスピードによって、できあがる結晶の大きさが変わります。この結晶の大小で冷凍食材の品質も左右されます。

氷の結晶が大きくなると食材の細胞が破壊される、もしくは圧がかかり細胞内の液体が解凍時に流出してしまい栄養価や旨味が損なわれてしまいます。

つまり、結晶が細かければ細かいほど、食材の細胞を傷めないために品質がキープされるということ。時間をかけてゆっくり凍らせてしまうと氷の結晶が大きくなってしまうので、一気に冷凍させることが品質を維持するポイント。よく冷ましてから、薄く整形して冷凍するのはこうした意味があるんですね。

もしくは氷の結晶が冷凍の品質に影響を与えるから、解凍した時にドリップと言われる液体の流出が少ない食材(パン、もち、米)や形がなく組織破壊がないような出汁などが冷凍に向いていると言えます。

冷凍ミイラが出来上がるメカニズム

熱は高温から低温へ移動する性質があります。これは冷凍庫のようなかなり冷たい環境でも起こります。冷た〜いところから、めっっっちゃくちゃ冷た〜〜〜いところへ移動するのです!

冷凍庫の中なんて一定温度だろと思いがちですが、実は一番冷たいところがあるんです。それは冷凍庫の壁。冷凍庫内を冷やしている源(熱源)です。僕の家にあるような安い冷凍庫の壁に霜ができるのは冷凍庫内の空気が壁に接しているところから凍っていくからなんですね。

長期間ずっと冷凍しておくと、食材の中で凍っていた水分は冷たい場所を探してそろそろと食材の外へ飛び去ってしまいます。そうすると食材から水分が抜けて乾燥し、冷凍ミイラが完成するわけです。水分が抜けることで脂質は酸化して変色したり、タンパク質は変性してしまい品質が落ちます。冷凍ミイラを作らないポイントをメモしておきます。

  • 長期間冷凍しない!!
  • 水分子が透過できない素材で食材を覆う!!
  • 空気を抜き、食材と覆う素材の間に空洞を作らない(空洞に水分が移動してしまうから)!!

効率的な解凍方法が意外なあれを使うことだった

冷凍庫の食材を取り出して料理をする時に解凍するのに悩む経験は絶対全員がしているはずです。どうしたら早く解凍できるのか?どうしたらドリップの少ない解凍ができるのか?などなど。

主な解凍方法はだいたい次の通り。

  • 常温解凍
  • 流水解凍
  • 冷蔵庫内解凍
  • 加熱解凍(熱湯、蒸気、油)
  • 電気解凍(電子レンジ)

解凍させるためには熱エネルギーが必要ですが、基本的にはゆっくりと解凍するのがポイントです。

電子レンジや熱湯などで急激に解凍させてしまうと解凍にムラができてしまいます。表面溶けているのに中心はガッチガチみたいな。さらにやり過ぎると表面が高温になり加熱されてしまい食材が台無しになってしまいます。刺身が焼き魚に…。ステーキ肉がフライパンに乗せる前から表面が焼けて硬くなってる…泣。

ゆっくり解凍するのがいいなら冷蔵庫内解凍がベストかというとそうではありません。時間をかけすぎても雑菌や酸化などの問題もあるし、何より一晩待ってらんない。今すぐ料理してーんだよ!!!

ということで食品製品(特にタンパク質)が変性されない温度で解凍するのがいい。肉や魚などの動物タンパク質は40℃〜で細胞膜や筋膜が収縮(縮む)ので、40℃未満厳守!

じゃあその温度の水の中に沈めるかというと、食材を裸のまま水にダイブさせたら旨味や栄養逃げるし、ラップのままダイブでも漏れて食材が水浸しになる可能性もあるし、じゃあジップロックとかで密封する?と思っても解凍するためにそこまでするわけねーだろー!!ということで流水解凍は僕的にNG。

残るは常温解凍。これでしょ!!

ただ、皆さんご存知の通り常温解凍はすぐに料理したいと思ってる時ほどとてつもなく長い時間のように感じます。実際、長時間を要している。

そこで登場するのがフライパン!金属のバットでもいい!!解凍って要するに冷凍食材よりも温度が高いものと接して冷凍食材に熱を伝導させるということなんだけれど、金属は熱伝導率がとてもいい。

詳しくはこちら。

3種類の熱

熱について詳しくなっておくと料理が上手くなるかも

2018年3月19日

温度が違うのでそれぞれの熱伝導率は、

  • 空気(10℃):0.0241
  • 水(10℃):0.582
  • アルミ(100℃):240
  • 銅(100℃):395

という金属たちの圧倒的なパフォーマンス!!適当なところに置いてひたすら待つよりも金属の上で(もっと言えば食材の上からも軽い金属乗せて)待った方が断然解凍されるのが早いわけです。金属の熱伝導おそるべし。

ちなみに、肉や魚はゆっくりと解凍させた方がドリップの流出が少なくなりますが、調理済み食品と野菜(予め切って冷凍しておく)は解凍せずそのまま調理にぶち込むのがいいようです。

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ひかる




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ABOUTこの記事をかいた人

2013年大卒。社員3名零細スタートアップベンチャー新卒入社。組織開発コンサルに従事後、17年12月末退職。収入0からリスタート。好きなことやりたいことに素直に!ブログを綴りながら生きていく!人生実験してます。