こんばんは。ひかるです。
生魚を料理する人にとって避けては通れないのがアニサキス。
これまで生魚を扱うにはアニサキスには充分注意するようにと、周りからとっても脅かされてきましたが、どこか実感がなく。遠い世界の話だと思ってきました。自分がアニサキスにあたってしまうまでは。。。
まさか自分が・・・。という感じですが、よくよく振り返ってみると自分に明らかなミスがあったのでした。
人生初めてのアニサキス。身を以てアニサキスの恐怖を勉強しましたが、心身的にも経済的にも、非常に苦しい思いをしたのでその一連のエピソードをまとめます。
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「しめ鯖」がアニサキス症の原因でした
僕がアニサキス症になった原因はサバ。魚屋さんでサバを一本丸々買ってきて、自分で締め鯖にしたのですが、これが原因です。とても美味しくできたのになあ。。一手間が足りなかった。
そもそもアニサキスとは。詳しくはググるとたくさん情報が出てくるので割愛しますが、海の生き物たちに寄生する虫です。僕たちが普段口にする魚介類の中だと、サバやイワシ、アジなどに潜んでいることが多く。必ずしも、全部の魚にアニサキスが寄生しているわけではありません。
むしろ「アニサキスに出くわしたらラッキー」ぐらいの確率のような気がします。というのも、アニサキスは宿主の内臓に寄生しているので、僕たちが口にする身の部分にはいません。
そのため、新鮮な魚をさっと捌いて内臓を取り除いてしまえば問題なく、一方で魚が水揚げされてから時間が経過すると、アニサキスは内臓を食い破って身の方に移動するため、刺身で食べる時に人間の胃の中へおさまってしまう。
僕が購入したサバが古かったのかというとそんなことはなく。購入してすぐに捌いて内臓を取り除いていたので、どうやら我が家に到着するまでの間に、愛すべきアニサキス君はひょこひょこサバの身の方へ移動していたようです。
怠ってしまったサバとアニサキス対策
自宅での締め鯖づくり。もしくはスーパーや魚屋さんで買ってきた締め鯖は危険なのかというとそんなことはありません。
今回のしめ鯖の食中毒は完全に僕のミス。というのも、冷凍処理の工程をすっかり忘れてしまっていたのでした。お客さんに振舞うものでなくて本当によかった。。
アニサキスは加熱処理もしくは冷凍処理をすることで死滅させることができます。焼き魚を食べてアニサキス症になったという話は限りなくゼロのはずです。ベリーレアで食べない限り。
せっかく刺身でいただくしめ鯖を加熱処理するわけにはいきませんが、冷凍処理をすればアニサキスが万が一口に入っても悪さをすることがないというわけです。
一般的に、市販されている締め鯖は冷凍処理が100%されています(はず)。僕もその大切さは理解していたのですが、自宅で締め鯖を仕立てた際に、冷凍することをすっかり忘れてしまっていたのでした。。
今回のアニサキス症は自業自得というわけです。無念。
アニサキス体験談:激しい腹痛と吐き気
締め鯖を食べたのは夕食。
すやぁっと気持ちよく眠っていた深夜2時ごろ突然目を覚ましました。初めのうちは優しい腹痛。胃というよりは腸の方が軽く痛い。
昼間のリングフィットアドベンチャーを頑張りすぎた筋肉痛?もしくは食べ過ぎによるもの?ぐらいにしか思わずそのまま目をつむり、眠ろうとしたところ。だんだんとその腹痛が激しくなっていきました。
腹痛の感じで言うと、う○ちが出そうな時のアレではなく、腸をぎゅっと手で握られているような締め付けられているよな痛み。これが断続的にやってきます。
これだけでもかなり苦しい。トイレに駆け込みますが、下痢をするわけでもなく、うん○すら出ません。食べ過ぎとかそういう類の腹痛ではないらしいことがこの時わかります。
すると、遅れてミゾ落ちに痛みを感じるようになり、だんだんと強くなります。今度は胃を掴まれているようなギュッとした痛みと気持ち悪さ。丸一日何も食べなかったときの空腹感と一緒にやってくる気持ち悪さと似ていて、あれを100倍気持ち悪くしような感じです。
軽い吐き気をもよおしているわけですが嘔吐することはなく。えずいても胃の中にあるはずの夕食の諸々が吐き出せません。気持ち悪いのに、吐き出して楽になることができない。
この下腹部とミゾ落ちのダブルパンチが朝まで。眠れるはずもなく、下痢もしない・嘔吐もしない。明らかにいつもと様子が異なるので初めて脳裏に「アニサキス」と言う言葉が浮かんだあのでした。
アニサキス症になったら、事前に病院に問い合わせを
これは病院にいかねば。
アニサキスの治療についてググってみると、胃カメラで愛すべきアニサキス君を摘出するのが一般的だとのこと。それなら近所の消化器内科にいけばいいかと調べたのですが、僕は3つの消化器内科に診察を断られてしまいました。
どうやら、検査をする胃カメラとは状況が違うようで、数ミリから数センチの小さな虫を胃の中から摘出するにはそれなりの器具と技術が必要なようで。どこの消化器内科でも大丈夫というわけではないようです。
開業医の先生には総合病院を勧められましたが、こんなに激しい腹痛の中、何時間も外来診察を待てるはずもなく(それに、紹介状なしだと初診料を取られるのも、なんだか悔しい)。
最終的には電車で一駅行った街の消化器内科の先生に摘出してもらえました。コロナで来院者が減っていることもあり、待ち時間もほぼなし、人生初の胃カメラも比較的苦しくない鼻から入れるタイプだったのであっという間にアニサキス君を取ってもらえました。
「アニサキス 治療 〇〇※」でググると、「当院ではアニサキスやってますよー」という病院に巡り会えます(※:お住まいの地域名)。最近ではネット集客のため開業医のホームページも整えられているので、アニサキス治療ができる病院は「診療案内」などでそのことをしっかりうたっているわけです。
アニサキス症状で激しい腹痛があったら。まずは近所の病院に電話をすること。アニサキスの疑いがあって治療してもらえるかを聞くことがマストです。わざわざ足を運んでから断られるよりも絶対にその方がいい。というか、何軒も病院をハシゴする余裕は皆無です。
胃カメラでのアニサキス摘出費用
病院では診察室に入るなり胃カメラを提案されました。ミゾ落ちの痛みと吐き気、前日締め鯖を食べたこと(特に、この項目が一番疑わしい)を伝えると話は早く。
すぐさま別室に移動して胃カメラ開始。僕が選んだ病院はとってもよくて、鼻から挿入するタイプの胃カメラなのでそこまで苦しくありませんでした。それでも人生初の胃カメラで少し怖いこともあったので麻酔を使ってもらいました。
摘出中も意識はしっかりあるし、鼻からと言ってもやっぱり異物が入ってくるのはそれなりに苦しかったのですが、我慢できるレベルです。インフルエンザ検査の時に鼻の奥がつーんとするあの感じに似ています。カメラを動かすと管が鼻にあたってつーんとします。つーんと。
先生は「アニサキスいた」とか「アニサキス取れたよ」とか言ってくれなかったので、本当に僕のお腹の中にアニサキスいるのだろうか、これで別の病気だったら胃カメラ無駄だったなあとずっと思っていたのですが、麻酔の影響でベッドで30分ほど眠りに着かせてもらった後(これが気持ちよかった)、先生から胃カメラの映像を見せてもらい、しっかりとアニサキス君が写っていました。このやろう。
体内からアニサキスがいなくなったことで、腹痛や吐き気はすぐにおさまるとのありがたいお言葉をいただき、なかばほっこりした気分で病院の会計をすると、その金額17,190円。。
診療明細をしっかり見ていないのですが、おそらく胃カメラ・麻酔・点滴などでこれぐらいの金額になっている模様です。
いやいやさすがに2,000円ほどでは済まないだろうなあと思ってはいましたが、まさか薬代と合わせて20,000円弱とは。。勉強代にしては強烈です。
アニサキスを摘出したその後の症状
お腹の中から異分子がいなくなったことですぐに症状が治るかと思っていましたが、数日は軽い症状が残りました。というか、じつはまだ完全復活にはなっていません。
アニサキスは体の中に入ると胃の内側をかじって攻撃し始めます。それでも、アニサキス君の直接的な攻撃によってお腹に痛みが生じるのではなく、激しい腹痛と吐き気はアレルギー反応による症状のようです。詳しいメカニズムはわかっていないようですが、このアレルギー反応はアニサキス君がいなくなった後でも残るようで、胃薬の他にアレルギー反応を抑える薬も処方されました。
そんなわけで、今回初めてのアニサキス症状なのですが、アレルギー反応ということで次回以降は注意が必要です。酷い場合はアナフィラキシーなど重い症状を起こしてしまうリスクがあるからです。
締め鯖を冷凍する一手間を失念してしまったという自分のミスで身体も、お財布も痛い思いをしました。みなさんもアニサキスにはくれぐれもご注意を。
ひかる
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